弐_ここは、地獄
二話
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頭の上から鈍器で殴られたかのような衝撃的な事実。今さら、この二人が冗談を言っているようにはとても思えないし。というかこいつら新卒かよ。就職してんのかよ。
よく見ると頭に鬼の角みたいなものも生えている。
ああ、そっか。地獄に鬼は付き物だしね。
「って、そんなアホな話あるか!」
ミヤコの声が、シンとした辺りに吸い込まれて消えた。
目の前の二人も、何があったのか知らないがこんなところに迷い込んだと思っていた亡者と思われる女がそんな大声を出したものだから、ポカンとした表情で突っ立っている。
「いや、ほんまマジで。夢ならもう醒めてもいい頃やで、なあ。」
「唐瓜〜、この女の人、何かぶつぶつ呻いてるよ?」
「うーん。どうやらただの亡者ではないみたいだな。」
「残念ながら胸は大きくないね。」
「は、はあっ!?お、お前、何言ってんだよまたそんな変なこと!!」
ミヤコは一人、葛藤していた。本当に死んだということなのか。
だとしても地獄。どうして地獄。何か悪いことした?
確かにバイト先で閉店後に同期の子と余った料理をつまみ食いしたことはある。
でもそれをネットに書き込んでお店を困らせるなんてことはしない!
窃盗も詐欺も、もちろん人殺しだってしたこともないのに。
「はあ・・・・・・」
「あ、あの」
うなだれていたミヤコは顔を上げた。唐瓜という少年、否、新卒の男。
彼は心配そうにミヤコを見ていた。
「きっといろいろ事情があるんだと思います。だから、とりあえず鬼灯様のところへ行きましょう。何かわかるかも知れない。」
「ほ、ほおずき?」
「閻魔大王の第一補佐官!鬼の中でもトップの鬼神なんだ。すっごく偉いお方なんだよ」
「は、はあ」
「まあ、とにかくさ。ここにいても仕方ないし。行きましょうよ」
ミヤコは二人に言われるがまま、その鬼灯という名の人物の元へ向かうことにした。
道を進んでいくと、ますますここが地獄っぽい。
幼稚園の頃に読んだ地獄の絵本に出てくる世界そのものだ。
「で、俺が唐瓜。こっちのポケーっとしてるのが茄子。こんなんだけど、獄卒として閻魔大王様や鬼灯様の元で働いてるんだ」
「ねえ、お姉さんは何て名前?あと、話し方とか変わってるよね」
「・・・・・・えっ?わたし?わたしは、加瀬ミヤコだけど」
こんなふうにこの二人に自己紹介をしている自分が何だかおかしかったが、もうどうでもいい。
とりあえず自分は死んだのかも知れない。それならそれで、受け入れる他ない。
何かのファンタジー小説の主人公のように、願えば元の世界に戻れるなんでことは、現実にはありえないのだから。
「着きました!鬼灯様、視察で出られてなければいいんだけど
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