第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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達と共にある特訓を行っていた。その特訓のせいで番の体はボロボロに傷つき、息も絶え絶えとなり立っているのがやっとの状態となってしまっていた。
無骨で大柄なその体には無数の生傷が出来上がっており、そしてその手には一本のバットが握られていた。
「も、もう一度だ。もう一度頼む!」
【いい加減にしろ番。幾らお前でも鉄球を打つのは無理だぜ!】
そう言っていたのはドリル番長であった。そのドリルの手には鋼鉄で出来た丸い鉄球が握られている。それを番が持っている小さなバットで打ち返そうとしているのだ。
身長3メートル近くはあるドリルの手に納まっているのだからその大きさは野球ボールの実に何十倍近くの大きさはある。しかも全てが鋼鉄だ。当たれば骨折程度では済まないだろう。
「構うな! こうでもしなきゃ、俺は奴には勝てないんだ! 頼む、もう一度だ!」
【分かった。行くぜぇ、番!】
覚悟を決め、ドリルはまた鉄球を投げた。猛烈なスピードで鉄球が番目掛けて飛んでくる。その鉄球を番は持っていたバットで打ち返そうとする。しかし、質量からして球の方が勝り、番は再び壁に叩きつけられてしまった。それからすぐ後に鉄球が壁にめり込み止ってしまった。
「くそっ、まだだ! アイツの投げた球はこの程度じゃねぇ! もう一度だ! もう一度頼む!」
【もう止めて下さい、番さん!】
再度特訓に望もうとする番を今度はレスキュー番長が止めた。救急車なだけあり番の体を気遣っているのだろう。
「止めるなレスキュー! これは俺の番長人生を賭けた戦いなんだ!」
【だからって、これ以上続けたら最悪番さんが死んじゃいますよ!】
「死んで元々、喧嘩に負ける位なら俺は喧嘩で死ぬ! それ位の覚悟ならとうに出来てるぜ!」
無茶苦茶な事を言いつつ再び立ち上がり構える番。体はボロボロなのにその闘志は未だに燃え尽きる事なくぎらついている。こうなってしまってはドリル達ではどうしようもなかった。
「其処までにしな。番」
「何だと!」
声のした方を見ると、番に向い歩いてくる茜の姿があった。何時になく真剣な顔をしている。
「止めるな、茜。お前もスケ番なら分かるだろう!」
「分かるさ、だけどねぇ。幾らあんたでも鉄球を生身で打つにゃ無理があるんじゃないのかい?」
茜が言うのは最もだった。確かに手に伝わってきたのは鉄球の様な感覚がした。だからと言って鉄球そのものを打ってたのでは対策を思いつく前に体が参ってしまう。それでは意味がないのだ。
「だが、このままじゃあいつの稲妻投法は破れない。どうすりゃ良いんだ?」
「要するに、そうつは恐ろしい速さ+変則的な動きで球を投げてきたんだ。だったら、それに目だけじゃなく五感全てが追いつけるようになれば良いって事だろ? だったら何もバッターじゃなくても身につけられると
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