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勇者番長ダイバンチョウ
第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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じでバンチョウが姿を現す。即座に二人は合体しバンチョウとなり、更に番トラを呼び寄せて根性合体を果たす。
 それなりに広いグランドに全長30メートルの巨人が二体並び立つ図式が出来上がった。
【さて、それじゃさっさと始めるとするか】
【待て、このままじゃ雰囲気が出ないから俺なりに雰囲気が出る様にしてみた】
 番がそう言うと、ピッチャー星人の周囲を取り囲む形でレッド番長、レスキュー番長、クレナイ番長が現れ、更にダイバンチョウの背後にドリル番長が陣取る。
【おいおい、こりゃ何の真似だ? まさかよってたかって俺の事をぼころうって算段なのか?】
【ちげぇよ。お前がこないだの俺のバッティングを見ていたってんならこの陣取りが何を意味するのか分かるだろ?】
 番の言いたい事をピッチャー星人は即座に理解した。つまり、周囲に居る仲間達はそれぞれベースに居る走打者であり、背後のドリルは俗に言うキャッチャーの類なのだろう。つまり、一週間前に番が助っ人で打者として立った草野球の場面を再現していたのだ。
【なるほどな、此処でお前さんがホームランを打てば逆転満塁になってお前の勝ち。逆に俺が三振で討ち取ればゲームセットで俺の勝ちって事か……中々粋な事してくれるじゃねぇか】
【まぁな、これでちったぁやる気も出ただろう?】
【出た出た! 益々血が騒いできたぜ。こんだけされたんだから俺は必ずてめぇを討ち取ってやるよ】
 手に持ったボールを堅く握り締め、ピッチャー星人は鼻を鳴らした。が、その思いはダイバンチョウもまた同じであった。
 此処で以前の雪辱を果たす為に、今度こそ奴を討ち取るのだ。
 互いに闘志を燃え上がらせつつ、最後の投球が行われた。ピッチャー星人が投球フォームを取り、そのまま第一球が放たれた。
 人間の時とは比べ物にならないスピードでそれは真っ直ぐドリルの構えているグローブの中へと突っ込んで行く。だが、それをダイバンチョウが許す事はなかった。
【以前の俺とは違うぜ! こんな球で討ち取れると思ってんじゃねぇぞ!】
 豪語し、番が持っていたバットを振るった。振るったバットに投げた球が見事に被さり、カキンと音を立てて球が宙を舞う。
 だが、打球は見た目とは裏腹にそれ程飛距離は伸びず、ピッチャー星人のまん前に打球が落下し、其処でピタリと止まった。
【へぇ、俺の球をファール以外で取れた奴はあんたが始めてだよ。どうやら相当特訓を詰んできたみたいだな】
【ったりめぇだ! 今の俺にゃお前の球は止まった球に見えるぜ。ハエでも集ってるんじゃねぇのか?】
【言うねぇ、それじゃいきなりだけど、俺も本気を出させて貰うぜぇ!】
 肩をグルグル回し、ピッチャー星人の目つきが鋭くなったのを感じた。言葉遣いとは裏腹にかなり神経を研ぎ澄ませているようだ。ようやく本気になった。と、言
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