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勇者番長ダイバンチョウ
第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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魂に力を込めて自然に立ち向かうんじゃ。さすればお前もまた一つの天災になれるじゃろう。天災に打ち勝つには己自信が天災にならなければいかんのじゃ!』
 その言葉が不思議と番の心に深く刻み込まれた。その言葉を胸に頂き、番は再度立ち上がりバットを構えようとした。だが、感触が違う事に気付き、持っていた物を見ると、それは普段からダイバンチョウが振るっているであろう木刀ブレードであった。
 その木刀ブレードを両手で強く握り締めた刹那、木刀ブレードに真っ赤な火柱が上がり、刀身全体を覆ってしまったのだ。
(これは、木刀ブレードが燃えている! 俺の魂で真っ赤に燃え上がっているのか。これが、これが爺ちゃんの言っていた天災……これが天災なのか?)
 戸惑いながらも番は燃え上がる木刀ブレードを構え、襲い来る稲妻を見入った。またしても稲妻は凄まじい速度で迫ってくる。だが、今度は逃げやしないし、恐れもしない。今や轟番は稲妻や台風と同じ『天災』となったのだから。
「条件が同じならば怖いものはねぇ! 後は気力と根性で勝負だ!」
 渾身のフルスイングが行われた。振るった木刀に稲妻の穂先は見事に命中し、そのまま遥か彼方へと飛び去ってしまった。
 青白く光っていた稲妻は番の魂の炎を受けて真っ赤な火の玉となり天へと登っていく。
 その光景を目の当たりにした番は、その場で大きく勝利の声を挙げた。
 やっと掴めた。つかむ事が出来た。稲妻に打ち勝つ必勝法を。
 これで戦える。これであの稲妻に立ち向かえる。そう思い目を開いた時、空にはうっすらと陽が昇り、朝を迎えようとしていた。




     ***




 再戦当日、番が向った原っぱには以前戦った野球少年が仁王立ちして立っていた。
 以前の時と全く変わらない白いユニフォームに野球帽を被った姿のままだ。
 少年の顔には並ならぬ自信と気迫が感じ取れた。だが、番にもまた同じ位に自信と気迫が感じられている。
「その顔色、どうやら以前とは違うみたいだな」
「ったりめぇだ。てめぇに再戦を挑む為にこの5日間死にもの狂いで特訓してきたんだぜ」
「嬉しい事言ってくれるじゃねぇか。それじゃ、さっさとおっぱじめるとしようか!」
 そう言うなり少年の姿が瞬く間に変貌していった。その姿は全長約30メートルはある巨大な宇宙人の姿に変わったのだ。
 右手には星すら砕くバットを携え、左手の砲塔からは剛速球が放たれる。
 正に野球をする為に生まれた異星人と呼ぶに相応しい姿であった。
「それがお前の真の姿か?」
「そう、俺の名前は『ピッチャー星人』ダイバンチョウ、お前に勝負を挑みに来たぜ!」
「そうかい、だったらこっちも本気で行かせてもらうぞ。行くぞ、バンチョウ!」
 番が叫ぶ。すると何処で待機していたのか? と思わせる感
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