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勇者番長ダイバンチョウ
第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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冷静な判断など行える筈がなかったのだ。
【あぁもう、面倒臭ぇ!】
 苛立ちと焦りがMAXになった番は何を血迷ったのか自分自身を守っていたフェイスマスクをあろう事か自分自身で殴り壊してしまった。ダイバンチョウの拳を受けた流石のフェイスマスクであったがマスク全体に亀裂が走り、やがて粉々に砕け散ってしまった。
 砕けたマスクのしたからバンチョウの姿が露になる。其処へすかさず水筒のストローを口に突っ込んで中の冷たい水分を勢い良く啜っていく。
【おぉ、こりゃ美味ぇ!】
【えっと、僕なりに作った栄養ドリンクです。栄養面を重視したんで味の方にはあんまり自信なかったんですけど―――】
【いやいや、結構いけるぜこれ。やっぱお前こう言う分野だと強いんだなぁ】
 そう言い水筒の中にある栄養ドリンクを美味そうに飲んで行くダイバンチョウ。しかし、こんな事で良いのだろうか?
 古今東西勇者シリーズにとって主人公ロボのフェイスマスクが破壊されるのは最終回とか強敵との激戦の際に深いダメージを負ってしまったが為に破壊される。と言うのが定石だった。だが、それをこのダイバンチョウはあろうことか水筒を飲みたいが為に叩き壊してしまったのだ。かつて幾度となく築き上げてきた勇者ロボット達のフェイスマスク破壊の名シーンを滅茶苦茶にした勇者が過去に居たであろうか?
 嫌、多分居ないだろう。
【あ、皆さんも飲みます? 一応全員分用意してありますけど】
【へぇ、気前が良いじゃねぇか。頂くぜ】
【ワシも貰おうかのぉ】
【そんじゃ、私も貰うよ】
 レスキューからダイバンチョウが飲んでいるのと同じ栄養ドリンクを受け取り、皆それぞれ一口啜ってみる。番があれだけ太鼓判を押したのだからきっと美味いに決まっている。そう思い何の疑いもなく中の液体を舌の上に乗せてみた。
 途端に舌を中心に全身に凄まじい稲妻が走り、続いて体中に激しい痛みが駆け巡ってきた。かと思うと最初に痛みを感じた舌に苦さ、不味さ、渋さ、辛さ、えぐさ、しょっぱさ、すっぱさ、他多数と言う要するにマイナス要因とも言える味覚が舌の上で激しいダンスを踊っていた。続いて体全体に激しい痺れを襲い、続いて猛烈に体中が熱を帯び出し、今度は逆に体を異様な寒気を襲ってきた。
 まぁ、どうなったかって言うと、ダイバンチョウ意外のレスキューが用意したドリンクを飲んだ三名は地面をのた打ち回り顔面蒼白状態となり口から泡を吹いて虫の息になりながらひたすらに苦しみ続けている図が出来上がってしまった。
【あ、あれ? 皆さん、大丈夫ですか?】
【何だお前等? そんなに美味いのかこれ?】
 等と言いつつ一人シレッとした顔でレスキューが用意してくれた栄養ドリンクを飲む。レスキュー意外の仲間が此処でようやく理解した。
 ダイバンチョウ、如いては轟番の味覚は明らかに
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