オリジナル/未来パラレル編
第28分節 強さ⇔弱さ
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
》もそうだった。また一つ苦さを伴って思い出す。月花が、咲がピンチの時は、必ず葛葉紘汰が来てくれた。
『――、下らん』
月花と鎧武は同時に金色のオーバーロードを見返した。
だが、臨戦態勢のこちら側とは裏腹に、戒斗は白い祭服の人間態に戻った。
「貴様らは弱くなった。葛葉紘汰、さっき俺を射ようと思えば射られたはずだ。室井咲を助けることを優先しなければ。そして室井咲。攻撃中に別のことに気を取られるなど、強い弱い以前の問題だ。あるいは貴様らであれば俺の脅威となるかと考えたが、見込み違いだったな」
『そう……そんなにあたしたちに負けるのがこわかったの』
戒斗が眉を潜める。
『ちがった? だからわざわざ2回もあたしたちにセッショクして、しかも1回目は戦わずに帰ったんじゃないの? 弱いのはどっちよ。えらそうにコーシャクたれないで。この、弱虫』
戒斗は射殺さんばかりの眼光を月花に向けた。月花も、パルプアイ越しながら睨み返した。
「……好きなだけ吼えろ。どの道、貴様らに時は残されていない」
戒斗が踵を返した。歩いていく先に、迎え入れるようにクラックが開く。
『待て!! 戒斗!!』
「止められるかは、お前ら次第だ」
戒斗はほんの微かにふり返った。横顔には薄い笑み。小馬鹿にしたとも、期待いているとも取れる。
今度こそ戒斗は前に開いたクラックに入って行った。クラックは戒斗が潜るや閉じ、追うことは叶わなかった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ