Episode 2 妹?
[8]前話 [2]次話
「…………え?」
健は耳を疑った。まさか、見知らぬ正直が自分の名前を呼ぶなんて思っていなかった。
「今…何て?」
「あれ…?もしかして人違いでした?私の兄さんにしか見えないんですが……。」
「いや、確かに俺の名前は健だけど……え?」
健の頭の中では何が起きているのか全く理解できていなかった。彼の記憶では彼は一人っ子で、兄弟姉妹なんて一人もいたことがなかった。
「私ですよ!妹の、『聖(ひじり)』ですよ!ひ・じ・り!」
聖と名乗るその少女は頬を膨らませてそう言った。その名前を聞いても、やはり彼は思い当たる節が全くなかった。
「:………すごく言いづらいんだけど、多分人違いだと思うよ?俺は生まれたときから一人っ子で兄弟姉妹なんて一人もいないから……ってそんな顔しないでくれよ…。」
段々と、目に涙をためる聖を見て、健はどうしたらいいか分からなくなってしまっていた。
「ぐすん……分かりました。」聖は言った。
「兄さんは何が起きているのか把握できていないということがわかりました。全てを思い出させてあげます。」
彼女はそう言って立ち上がろうとする。しかし、まともに歩く体力は彼女には残っていなかったのだ。
「っと、危ない!」健は彼女を支えた。
「……とりあえず何か食べさせてください。話はそれからです。」
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ