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緋弾のアリア0/D No.0 & DollMaster
絶望の宴編
首斬り人形
2幕 神楽柚子
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が』と言う前に、目の前に一枚の紙が突き出された。
「ほい、専門科目調査書。そこに書かれてる学科の中から好きなのを選んで丸を付けてくれ」
「ああわかった。えっと何々、『
強襲科
(
アサルト
)
』、『
狙撃科
(
スナイプ
)
』、『
探偵科
(
インケスタ
)
』……へえ、学科ってこんなにたくさんあるんだな」
「ちなみにうちの学校は九割の生徒が
強襲科
(
アサルト
)
に所属している」
「へえ、そうなのか……じゃあ俺も
強襲科
(
アサルト
)
に……って違う!」
危うくこいつの話術に嵌るところだった。
「俺はそんなことを話しに来たわけじゃない!」
「じゃあどんな話をしに来たんだよ。恋バナか?お姉さんに告っちゃうのか?」
「んなわけあるか!そうじゃなくて、何で俺をこんな学校に入学させたのかを聞きに来たんだよ!」
おまえなんかに告るわけないだろ。歳を考えろ、歳を。
「何でって……そんなの会うたびに言っていただろう。おまえが強いからだ」
「そんなんが理由になるか!だいたい、ここって女子高だろ!?俺は男だぞ!」
「ぎゃーぎゃー喚くな。鬱陶しい。ここが女子高?おまえが男?だからどうした。というか、だから私はおまえをここに呼んだんだが?」
どゆこと?
「あー、最初から話すと長くなるんだが……まず、おまえも知っての通りここは女子高だ。しかも教師も全員女という徹底ぶり。そしてここはその名の通り武偵を育成する学校だ。武偵は、いついかなる場合でも、どんな相手とも戦わなければならない」
いや、そんなのは知ってるから。いいから本題に入れや。あと、さりげなく人の心の声を読むな。
「ここは武偵を育成する学校。教師もそれなりに戦闘力を持ってる奴が多い。だからだろうな、ここの人間は今まである問題に気が付かなかった」
「問題?」
「ああ。今まではそういうことがなかったんだが、ここ数年の生徒たちが男の犯罪者と交戦したときに――――負けまくった」
はい?
「いやごめん。意味が分からない。何で?」
「女の生徒や教師とばかり戦っていたせいで、男との戦い方がわからなくなったらしい」
あーなるほど。そういうことか。
当たり前の話だが、男と女じゃ体格なんかが根本的に違う。ここの生徒や教師は、そこら辺にいる犯罪者と筋力や瞬発力、戦闘技術なんかは同等かそれ以上を誇るだろう。だが、体格は別だ。これは基本的に違わざるをえない。生物学的な問題で。
そして、相手の体格が想定と違っていたらそりゃ負けまくるのも当然と言えるだろう。
というか、
「今までそれに気付かなかったって……おまえらバカなの?」
「ふんっ!」
「ぐぼあっ!」
思いっきり殴られた。壁に叩きつけられる。
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