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【SAO】デスゲーム化したと思ったらTSバグに巻き込まれた件
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らんだ胸。 しなやかにくびれた腰。 
 胸に恐る恐る触れると、見た目を裏切らずその感触はふにふにと柔らかい。 続いて下腹部にパンッと手を当ててみたが、感触はストン。 何もない。
 どこからどう見ても完全に女です。 本当にありがとうございました――なんてフレーズがキリトの頭を過り、思考が停止する。

「おい、キリト? 大丈夫か?」

 クラインに肩をポンッと叩かれ我に返ったキリトはガバッとクラインに掴み掛らんばかりの勢いで詰め寄った。

「違う! 違うぞクライン! 俺は本当に男なんだ! バグだバグ! GM――そうだ、GMに言えばきっと修正が入るはず……GMコールすれば……!」
「じ、GMなら上に――」
「そうだった!」

 キリトはクライン混乱する頭でGMコールをしようとメニューを開いていると、頬を赤らめ目を逸らしていたクラインに指摘され上を向く。
 何やらうだうだと話を続けていたらしいGMこと茅場晶彦に向けてキリトは喉も張り裂けよとばかりの大絶叫でクレームを入れる。

「茅場ぁあああ! このふざけたバグを今すぐ何とかしやが――!」
『――健闘を祈る』
「健闘を祈るじゃねぇよ! あ、ちょ、馬鹿っ消えるなぁあああ!!」

 キリトにとっては不幸なことに、ちょうど茅場の話が終わったところらしく、まるで自分に向けられた嫌味のような言葉を最後に真紅のフードが赤い空に溶け込むように消え、それと共にに血のように赤かった空が青く澄み渡っていく。

 NPCの演奏によるはじまりの街のBGMが遠くから徐々に近づいてきて、穏やかに聴覚を揺らした。
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