第四話
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位になるだろう。
数の面で見れば十七小隊の優位性など無いだろう。新設部隊というのなら他と比べて拙いところも多いはず。賭けの倍率を見ても三小隊の優位だ。
だが勝負というのは確率で決まるものでもないことをレイフォンは知っている。戦術や戦略もある。両者に埋めようの無い差でもない限り時の運も関わってくる。
入口を映すモニターに十七小隊の隊員たちが入ってくるのが映り、直ぐにレイフォンの視界にその姿が映る。
司会役のノリのいい声が響き渡る中、視界の先で十七小隊の各々が錬金鋼を復元する。
「双鉄鞭。前にも見ましたが珍しいですよね。女性で使ってる人知りませんよ私」
一本でも十分な重さと大きさだ。レイフォンの使う剣よりも重い。それを二つも持つニーナは威圧感があるだろう。
「僕みたいに親からの影響だと思うよ。無骨なのは否定しないけど。シャーニッドさんは軽金錬金鋼の狙撃銃かな」
「アイクさんは剣ですね」
クラリーベルと適当にニーナたちの武器を話す。
そんなことをしていると試合開始を告げるサイレンの音が鳴り響いた。
開始のサイレント共にニーナたちは散会し、互の役割を果たすべく動き始める。
メインアタッカーであるニーナはグラウンドを敵陣の方へと駆ける。少し遅れもう一人のアタッカーであるアイクが少し距離をあけ続く。
一直線にただ向かうわけにも行かない。落とし穴、ワイヤートラップ、念威端子を使った爆雷。罠にかかり戦わず終了、など笑い話にもならない。
茂みで身を隠しながら着実に距離を詰めていく。
「フェリ、探査状況はどうだ」
早速見つけたワイヤーの周囲を注意深く見ながら、ニーナは自分に付く端子に言う。守り手側が罠を仕掛けられる時間は決まっている。少し気をつければ容易く気づける見えるそれは「罠の罠」の可能性が高い。迂回したいがあからさますぎて誘導にも思える。
解除したいが一つ一つの罠を確認して解除していては時間が足りない。こうして考える時間も相手を有利に運んでしまう。
『そこ、目の前にワイヤーありますよ』
「それは見えている」
『それ以外はまだ探査中です。あれもまだです』
話し合う時間も勿体無い。何時も通りの緊張感のないフェリの声からして情報を待っていては不戦敗だ。
「あれ一つでいい。頼むぞ」
周囲に気配はない。ニーナは手で合図を送り、同時に走りだす。アイクから放たれた衝剄にワイヤーは切断される。何も起こらない。
ニーナが一息に駆け抜けようとした瞬間、近くの茂みが爆発した。
「ッ!?」
更に一度、アイクがいる辺りでも爆発が起こる。
念威爆雷だと気づいたときには大量の木の葉と先端が尖らされた太い枝がニーナに向かっ
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