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鋼殻のレギオス IFの物語
第四話
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う。

「前回のルックンに今日の小隊の簡易紹介載ってるから貸してあげる」

 渡されたルックンを捲る。今日の第三試合の所を開く。互いの小隊のメンバーの簡単な情報が載っている。相手である三小隊は隊長の性格を反映した堅実さと連携に秀でた隊らしく戦闘要員は六人だ。
 次いで十七小隊を見る。
 十七小隊の戦闘要員は最小である四名。

 隊長、ニーナ・アントーク。十四小隊を離れ新たに設立された十七小隊の隊長を務める。活剄、衝剄とも優れた人物。個人としての能力は非常に高いメインアタッカー。
 隊員、シャーニッド・エリプトン。十七小隊最年長の狙撃手。狙撃手としての腕は高く殺剄に優れる。甘いマスクに女性からの人気も高い。
 隊員、アイク・ラジエイド。十七小隊のアタッカーを務める。現状特に目立った情報はない。医務室の常連でありベッドの一つはほぼ彼専用になっているという。
 隊員、フェリ・ロス。十七小隊の念威操者を務める。昨年は一般教養科であり武芸科には今年度からの在籍。昨年のミス・ツェルニであり男性からの爆発的人気を誇る。非公式ながらファンクラブの噂もある。
 
「要らない情報が多い気がするんだけど」
「簡易紹介だからね。他の隊の分もあるし細々したもの載せられないの。特集組んだりするときはもっと色々書くけど」

 確かに今日の分だけで八つの小隊が載っている。今日だけでなく対抗試合は本番まで時間が許す限り総当たりをするという。二、三行載ればいい方なのだろう。そもそもこの情報を載せるだけの雑誌でもない。
 
「十七小隊は今年に入ってからの新設小隊だから前に一回特集あったんだ。知りたいならそっち読んだほうがいいかな……余りお勧めしないけど」

 余り言及したくなさそうにミィフィが言う。
 気になるが聞いてもいいのだろうか躊躇うレイフォンにアイシャが言う。
 
「読むなら図書館に行けばあるよ。何年か分、バックナンバーが保管されてるから」
「行ったことないんだよね図書館。本がたくさんある場所って慣れなくてさ」
「雑誌の中古は書店には基本無い。行くなら私も着いていく。ただ……私は読んだけど、推奨はしない」

 ミィフィと同じことをアイシャも言う。

「読まないとわからないし読んでみるよ。ミィフィ、これありがとう」

 一通り目を通したルックンをミィフィに返しレイフォンはグラウンドを見る。
 あちこちに埋められた樹木や大小様々な茂みに平坦ではない地面。グランドの両端には冊や塹壕も設けられている。上空は中継器が念威操者によって操作され、観客席のあちこちに用意されたモニターにいくつもの画面が映し出されている。
 障害物があるならば索敵が重要になる。先に入っている相手の罠や待ち伏せの脅威も大きい。守り手に徹するなら守り手側の方が優
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