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鋼殻のレギオス IFの物語
第四話
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や目当ての試合だけ見る人など様々だ。
 ミィフィが言っていた辺りに視線を向けると見慣れた後ろ頭と少し前に分かれた栗色のおさげが視界に映る。近づいていくとアイシャが気づき、次いで気づいたミィフィが手を振る。
 ミィフィとアイシャ。それともう一人。武芸科の制服にを身を包んだ赤毛の少女を含めた三人だ。

「二人共、迷わなかった?」
「ええ、迷いませんでした」
「そりゃよかった」

 ミィフィからの質問にクラリーベルが答える。
 
「あ、そうだ。こっちのがさっき言ったヨルテム組の友達」
「こっちって何だこっちて。失礼な」

 赤毛の少女がミィフィを窘める。三人の中で一番背が高い。彼女がさっきミィフィが言っていたオフレコの相手だろう。
 腰元を見ると錬金鋼があり、都市警の模様が入っている。その視線に少女も気づく。

「ナルキ・ゲルニだ。都市警に入っている。二人の話はアイ、もといアイシャから話は聞いている。よろしく頼む」
「レイフォン・アルセイフです。よろしく」
「私はクラリーベル・ロンスマイア。よろしくどうぞ」

 彼女たちの隣は席が空いておらず、レイフォンたちは三人の一つ後ろの列に座る。
 
「ニーナさんたちってまだだよね」
「次のはずですが……レイフォン、まさか何も調べてないんですか」
「うん。大体の時間だけ分かればいいかなって」

 クラリーベルに白い目を向けられる。レイフォンとしては試合さえ見れれば良かったので余り気にしていなかった。
 前の席のアイシャが振り返る。

「十七小隊の試合は、今日四試合ある中の三試合目。相手は三小隊で、十七小隊が攻め手側になってる」
「攻め手側って何?」
「対抗試合は守り側と攻め側に分かれる。それぞれ勝利条件が違うの」

 なるほどとレイフォンは頷く。どうやら基本的な情報らしい。ミィフィとナルキ、そしてクラリーベルが向ける視線を見てレイフォンはそれを知る。

「……一通り説明しよっか?」
「お願いします」

 レイフォンはミィフィの好意に甘えることにした。
 ミィフィが言うには対抗試合は二つの小隊が攻め手と守り手に分かれて戦う。攻め手側の勝利条件は相手の全滅か敵陣内にあるフラッグの破壊。守り手側の勝利条件は攻め手側の司令官の撃破、或いは制限時間内フラッグを防衛すること。守り手側は攻め手側より先にグラウンドに入り簡易拠点や罠を設けられる。
 この試合形式は本番、つまり都市間戦争における攻防を模したものである。戦争における勝利条件は敵司令部の占拠、或いは都市機関部の破壊であり、フラッグはそれを見立てたものである。

「相手を全滅すれば勝ち、か」
「時間切れって少ないから、殆どフラッグか全滅で勝敗が決まるよ」

 レイフォンのつぶやきにミィフィが言
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