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鋼殻のレギオス IFの物語
第四話
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ン、何ですかそれ?」
「ノミ屋が倍率を決める賭け方のひとつ。控除分配方式と台帳方式が一般的な二つだよ」

 控除分配方式とは利率が変動するタイプの賭け方だ。掛金が一旦プールされ、そこから運営側が一定の額を利益とし残りを配当として配る。これは必ず運営側が一定の利益を得る。
 それとは違い台帳方式は券を売るノミ屋が決めた倍率を基に客を募る。倍率を公表して募るため大穴や大金の投入で胴元側が損をすることもある方式だ。

 ノミ屋毎の審美眼がものをいうところだがここは学園都市。そこまで本格的にしていないのだろう。上限額が決められているのも損失回避のためだ。
 
(それでも結構真面目にやってるんだな)

 通信機で他の仲間と連絡を取っているのをレイフォンは見つつ更に説明を聞く。
 賭け方は大きく分けて二種類。隊の勝敗予想、個人の勝敗予想。個人への賭け方は生き残るか、何人倒すかの二つが基本。
 そんな事を簡単に聞きながらクラリーベルは倍率の書かれた紙を見せて貰う。レイフォンも覗き見るが予想通りにニーナは低い。それに反し隊の勝利の倍率とアイクの倍率は高い。

「理由も聞きたい?」

 結構だと首を振ると女性は不満そうな視線を向けてくる。色々情報などを踏まえた上での倍率だったのだろう。
 前にアイクから渡された財布を取り出し、クラリーベルは女性に金額分だけの一点買いを告げる。女性の瞳が興味深そうにクラリーベルを見るが特になにも聞かず、カードでの金額情報の受け渡しが済むと直ぐに券が発券され、スタンプを押されてから渡される。

「特殊なスタンプだから偽造は駄目よ」
「しませんよ」

 そのやりとりを見ながら個人的にニーナの券を買うべきかレイフォンは少し考えるが、やはり買わないと決める。
 女性に別れを告げ二人は通路を戻っていく。

「クラリーベルは他に買わなくてよかったんですか?」
「自分じゃ買いませんよ。一応立場があります。理解はしても賛同したわけじゃないので」
「そんなものですか」
「そんなものです。レイフォンこそニーナさんの買わなくて良かったんですか。当たり券でしょうに」
「それは、そうなんですけどね」

 何と答えたらいいものか。レイフォンは曖昧に笑う。

「一時とは言え師だったのでしょう? 買うのは弟子の勝利を確信、というか力量への信頼にも思えますけど」
「そういう考え方もあるんでしょうね」

 リスクを恐るというのは負けるかもしれないと思うこと。そういう点でレイフォンはニーナの力量を疑っているわけではない。かといってほぼ元本返しの低倍率だったからでもない。
 だた、思ったのだ。

「もし、ですけど……僕が賭けの対象にしたって知ったらニーナさんどう思うかなって。何か、嫌だなって」

 ニー
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