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鋼殻のレギオス IFの物語
第四話
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での入隊でちょっと噂にもなったりもした」
「その妬みとかですか」
「違うよ。入隊当初は問題なかったんだ。……レイフォンはさ、今日の対抗試合見ててニーナのことどう思った」

 何の関係があるのか分からなかったがレイフォンは正直に答える。

「強かったです。複数相手はわかりませんが個人ならまともに相手できる人はいないと」
「僕もそう思うよ。けどそれが問題だったんだ。入隊したニーナは当時の隊長だった六年生に色々主張したらしいんだ。訓練の仕方とか、剄の使い方とか、普段の意識とか。ニーナ本人としては善意で」
「……ああ、なるほど」

 入隊したばかりの力に自信のある一年が古参である最上級生に意見を言う。その姿を周囲はどう見ただろう。
 ニーナ自身、押し付けるつもりはなかったはずだ。隊員の一人の意見として、考えの一つになればと言っただけだろう。
 レイフォン自身そういったやっかみは受けたことがある。

「当時の隊長は気にしなかったんだ。けど体面もあって直ぐに全部を聞くわけにわけにもいかない」
「他への示しでもありますからね」
「時間をおいて少しずつって形になったんだ。けど次がちょっとまずかった。十四小隊の念威操者は引っ込み思案って言えばいいのかな? それが極度で隊の練習に出ないことがあった」
「ニーナさんの性格だとそれ……」

 容易に想像が出来てレイフォンは言葉を濁す。
 ハーレイも苦笑いする。

「引っ張り出しに家に突撃したんだって。一応擁護するけど力任せじゃないよ。説得に近かったんだ。けどニーナの性格ってその、あれだからさ」
「良くも悪くも真っ直ぐですよね。結構強引」

 レイフォンにも容易にその場面が浮かぶ。何故来ないのか。武芸者なら、小隊員ならその積を。何かあるなら力を貸す。そういった事を言っただろう。徹底的に話そうとしたかもしれない。
 けど、誰にもその言葉が通じるわけではない。

「僕みたいにそれが合う人もいるんだけどね」
「僕も結構好きですよニーナさんの性格」
「ありがとう。ニーナに直接言ってあげれば喜ぶと思うよ」
「それは流石に恥ずかしいです」

 それはそうだとハーレイは小さく笑う。

「その人は人見知りが悪化して、それまでは大事な練習とか練習試合はちゃんと来てたのに覚束なくなった。気づいたら手遅れでそこから対抗試合はボロボロの結果」
「隊自体は大丈夫だったんですかそれ。代わりを探したりは」
「除隊したら追い詰めるし念威操者二人は多いよ。その頃から外では色々と騒がれ始めたんだ。最後の方は隊の一時解散の噂もあった。それがあってニーナは他人を無理に誘うことに恐怖感が生まれたみたい」

 前にニーナから武芸科に、小隊に誘われた時のことをレイフォンは思い出す。あの時のニーナはレイフ
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