第四話
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こかにはある。
「そんなものですか」
「僕の場合は、ですけど」
結局のところ本人がそれを良しとできるかなのだろう。
ただ受け入れるのではなく迷い考えるだけ上等でさえある。
「不満があるなら故郷に帰ったあとしたいことしたらどうですか? 十ある時間の十全部を念威に注ぐ必要もないでしょう」
「まあ、家の地位も含めれば好き放題できますね確かに」
「グレンダンの上の人なんか凄いくらい好き放題してますからね。一応仕事はしてますけど」
上の人、を思い出しながらレイフォンは溜息を吐く。
真面目に働いている人も多いのだがフェリに言っておきながら自身も一部からの影響が強いことにレイフォンは気づかない。
「出会い頭に殴ってくるのやめて欲しいですほんと」
「……それはその人が極例すぎると思いますよ」
打ち上げも終わりレイフォンは一足先に外で風にあたっていた。帰途につく者、話をしている者、意味もなく残っている者。各々が好きに動いている。
クラリーベルはまだ店内でニーナと残っている。アイシャはミィフィに肩を貸している。様子からすると酒でも飲んだのだろう。
日は完全に落ち月が顔を覗かせている。先に帰るべきかレイフォンが考えているとハーレイが近づいてくる。
「今日は来てくれてありがとう」
「参加できて楽しかったです。けど良かったんですか? 僕たち部外者だったのに」
「誘ったのはこっちだから気にしないでいいよ。全くの他人ってわけじゃないしさ」
ハーレイは店内に視線を向ける。
「……何より、ニーナも喜んでたから」
周りを気にするように数歩ハーレイはその場を離れる。誘われたレイフォンも付いていく。
店の明かりから離れた道の隅で二人は壁に背中を預ける。
「ニーナさん何かあったんですか」
「やっぱり分かる?」
「ええ、流石に。それに色々何かあるらしいことは聞いてましたから」
野戦グラウンドの観客席でのことをレイフォンは思い出す。
こうして他の人から距離を置いたということは余り聞かれたくないことなのだろう。
「レイフォンはどのへんまで知ってるの?」
「何かあるらしいってだけで詳しいことは何も」
「新入生だもんね。もう済んだことだし、態々調べようと思わなければ人のことなんて知る機会はないからなぁ」
何と言えばいいのか困ったような顔をしたハーレイは少しして口を開いた。
「ニーナさ、ちょっと風当たりが強いんだ」
「風当たりですか?」
「分かりやすく言えば嫌われてる。皆が皆、ってわけじゃないけど」
最初から話したほうがいいね。
そう言ってハーレイは話し始めた。
「ニーナは前は十四小隊の隊員だったんだ。一年
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