第四話
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ようとしたんですか」
「……前にもう余り会わないみたいに言いましたのでその。ロス先輩にも嫌いだって言われてたから……すみません」
小さくフェリがため息をつく。
「あれ本気にしてたんですか。真面目ですね」
どうでもよさそうにフェリが言う。
「嘘だったんですかあれ。よかっ――」
「本気ですけどね」
「え」
「深く考えなくていいですよ。クララにもそう言われたでしょうに」
確かにレイフォンはクラリーベルから前にそう言われた。だがその意味も分かっていないし、だからといってはいそうですかで割り切って近づけるような性格でもない。寧ろ今改めて言われてどうしたらいいのかレイフォンは悩む。
「私が言いたいのはこっちの領分に教養科のままで来るなってことです。普通に会う分には気にしません」
「じゃあ今は平気だと」
「自分で判断して欲しいですけどね。今はただの打ち上げです。そもそもこちら側が誘いましたのでお気になさらず」
フェリの視線はミィフィやナルキやアイシャ、つまりは十七小隊ではない面々に向く。確かに彼女たちがいる時点でレイフォンの質問自体愚問というものだろう。
だがどこか歓迎されいない空気も感じる。
「もしかしてロス先輩としては来ない方がよかったですか」
フォークでサラダを運んでいたフェリの視線がジロリとレイフォンを向く。小さく開いた口をどうすべきかフェリは暫し悩み、サラダを口に運び入れ咀嚼する。
僅かな沈黙の後、口を空にしたフェリが言う。
「答えに困ることを聞きますねあなたは。ただ私としては騒がしいのは余り好ましくないです」
耳を済まさなくても聞こえてくる話し声にレイフォンは何も言えなくなる。お世辞にも静かだといえる状況ではない。
「嫌なら帰ってますから心配しなくでいいですよ」
心を読んだようにフェリが言う。
「それなら良かった」
「次は来ないと思いますけどね。初回くらいは居た方がいいと思って来ただけですので」
「……そういえば何でここに座ってるんですか」
「少し静かになりたかったので。……それに、対面にいた子に何故か怯えられましたし」
少し悲しげにフェリが言う。
フェリの対面といえばミィフィたちが連れてきた友人の少女のことだろう。おっとりとした子でおどおど……というよりはビクビクしていた印象しかレイフォンにはない。人見知りなのだろう。
フェリは美人だが感情の表現が薄い。念威操者は皆そうなのだが無表情で見られ続けては人によっては怖い印象を抱く者もいるだろう。
さてどのタイミングで逃げよう。会話が止まりレイフォンは考える。
いくら気にするなと言われても嫌いだと改めて言われたに等しい相手だ。流石に二人で無言の状況は少しば
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