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鋼殻のレギオス IFの物語
第四話
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ないところがあった。ある程度身近なところまでは口止めをしたがそれで完璧だとは思っていない。レイフォンという存在がどの程度の存在なのか、武芸者なのかは知らずとも名前だけだがニーナの関係者だと知られている可能性もある。
 それを踏まえ、念のためにとクラリーベルはもし聞かれるような事があればレイフォンとニーナの関係をボトルレターによる繋がりとした。

 ボトルレターとは簡単に言えば都市間の文通だ。ただそれは宛先が書かれずに出される。放浪バスに詰め込まれた手紙は都市に着く度に一部がバスの停留所近くの郵便局に入れられ、そしてそこにある新たな手紙を積み次へと向かう。
 これならば全く知らない都市を離れた相手との繋がりの理由になる。そこにあるのは偶然性だけで明確な経緯も理由もいらない。

 ニーナ・アントークはボトルレターによりレイフォン・アルセイフを知った。故郷からツェルニに向かう途中、偶然グレンダンに立ち寄りレイフォンと実際にあった。これで昔からの繋がりと実際に会った理由が説明できる。

 あくまでも念のための形だけ。レイフォンとしては気にしすぎだと思ったがクラリーベルは一応の形だけでもあれば何とかなるのだと言った。あと面白そうだと。暇なのかよく分からない設定も捏造しまくっていた。
 ボトルレターからの邂逅という点でシャーニッドに少女趣味かとニーナは爆笑されていた。

「さっき言った取材のやつ、私の担当そこなんだ。昔の話とか聞けるかもしれないし気が向いたら来てよ」
「試合後はクラリーベルや都合が合えばアイシャと挨拶に行く予定だったよ」
「了解であります。じゃあまた後で」
 
 手を振り去っていくミィフィを見送り二人は新聞部の女性のもとに向かう。
 壁際にいた男女二人は足元に鍵付きの箱を置き、女性は手にスタンプと発券機を持っている。男性の方が腰元には通信機らしきものを付け何か紙に文字を書いている。
 二人が賭けの運営側で周囲にいるのは買う側の人間なのだろう。

「すみません、券を買いたいんですけど」
「言いわよ。……あら一年生? 全く悪い子ね」

 上級生の女性は長い髪をかき分けながら嗜めるように言うが、全く責める色はない。
 レイフォンは券を買うより前にシステムについて女性に説明を求める。
 女性が言うには賭けの倍率は基本固定。限度額有り。

「基本的に固定ってのはどういう」
「試合は対抗試合だけじゃないのよ。戦争や小隊隊長同士の試合もあってね、その時その時で違うの」

 なるほどとレイフォンは納得する。動員する人数なども違うのだろう。
 ちなみに対抗試合というのは小隊戦の別の呼び方だ。正式な名前が学内対抗試合なので人によって呼びやすい方で呼んでいる。

「台帳方式って事かな。変則的だけど」
「レイフォ
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