第四話
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保つとも限らない。
アイクの方が押し切り援護に向かえたとして数の差はまだ依然として残っている。
「時間的にもジリ貧かな」
ミィフィが言う。
「数の差が大きかったな。慎重策も取られた」
「だね。守り側ならもう終わってる気がする」
「でも、まだ終わってないよ。最後の最後で、変わる事もある」
「どんな作戦あったか知らないけどもう博打しかない感はあるよね。好きだけど」
前の三人が好き放題に話す。
レイフォンは剄で目を強化してニーナを見る。正確にはニーナに流れる剄を。
レイフォン自身、ニーナが諦めているとは思わない。ジリ貧である以上何か行動を起こす気はした。
「数でごり押されるなんて分かってそうですけどね」
「僕もそう思うよ。愚直に突っ込みすぎだ」
「他に手がなかったのか。それともあえてそうしたのか」
極所的な戦術で勝てても戦略面で負けては意味がない。そうするしかなかったにしてはニーナは落ち着いているように見える。
ニーナの体を流れる剄の流れ。それを見てレイフォンは気づく。
「そう言えば剄を二つ練る方法教えたんだっけ」
三対一で堪えている数の差。それをどうするか。ニーナの特性や昔のこと、そしてグラウンドの状況を見てレイフォンはもしかしてと気づく。
呟きを聞き視線だけ向けてくるクラリーベルに聞こえるようレイフォンは言う。
「多分ですが、もの凄い力技を狙ってますあれ」
対人間用と対汚染獣用。その戦闘技術の一番大きな違いといえば立ち回りと武器の扱いだろう。
人間を相手にする場合、戦うならば武器が届く範囲を常に気にしなければならない。つかず離れず、一足一刀の間合いというやつだ。
だが武芸者にはそれがない。正確に言えば似た技術に触れるが実際に使うことは少ない。何せ相手するのは自分と等身大の相手ではなく数倍から数十倍、或いは数百倍以上も大きな相手だ。
一撃を喰らえばそれが即致命傷に繋がる。動くとしたら一度に大きく、或いはヒット&アウェイの姿勢が基本となる。
無論、人を相手にした技術自体はあるが素地が違う。汚染獣への備えを流用した技術と人の相手のみを考えた技術では系統が異なるのは当然のこと。
汚染獣は高度な知能を持たない硬い外皮の相手だ。その動作は単純であり武器の扱いは斬線を正確に取れるかなど武器を正しく扱えるか。人相手の微細な駆け引きの要素は必要性が薄い。細かな技や場面に合わせた対処は剄技で十分に補える。
また、「一足」の距離がかけ離れれば必要とされる物は変わる。立ち回りに関して言えばいかに無駄なく速く、それを連続的に行えるかが求められる。相手の気配なら強化した聴覚や剄で感じとればいい。使わない技術は薄れてい
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