第四話
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は汚染獣にほかならない。都市の治安の第一目標が汚染獣でありその次が内部の犯罪者。武芸者の武は大前提として汚染獣を相手する事を想定している。
剄を持たない一般人が相手するだろう最大の敵は人間で、武芸者の最大の敵は汚染獣。目的が違えば手段も異なる。そもそも剄の有無があるのだ戦闘理念や技術、立ち回りが別物になるのは必然的と言える。
無論、武芸者は敵が人であるのを想定した技術も持っている。だがそれは同じ方向性を持った相手である武芸者への技。剄を持たずそもそもの土台に立てない人間を考慮出来るものではない。培われてきた技法の違いは明確になる。
対人間と対汚染獣。一般人と武芸者。
だが武芸者の中には前者の技術を修めようとする者もいる。それは技術的に、或いは性格的に劣った者が多かった。汚染獣への備えを捨てた彼らは侮蔑の対象となった。
流派から破門されるから破門兵。
人によっては札捨てとも言う。道場にかかる名札を捨てらるからだ。
「何で弱いと一般人の方に来るのか分かんないんだけど」
「同年代に相手されないから子供の遊び場に入ってお山の大将気取ったりする人いるじゃないですか」
「あーなるほど」
納得したのかうんうんとミィフィは頷く。
「弱くても武芸者ですからね。剄を使えない相手ならでかい顔できますよ。グレンダンは武芸者多いんで色々いました」
「確かにいるよね。退部したくせにしょっちゅう来て先輩面してくる人とか。ほんとうるさい」
ナルキが厳しい視線でグラウンドを睨みつける。
「あいつもそういう類ということか」
「そうなるんだけど、違う気がする。少なくとも小隊員を相手にするだけの技量はある。落ちこぼれた様には見えない」
キツイ視線を向けたままのナルキにアイシャが言う。
「全部がそうじゃないって、レイフォンが言ってた。ナッキは気にしすぎ」
「……分かってるさ」
苦い顔のままだがナルキが視線を和らげる。
アイクが夜に一人で鍛錬をしていた姿もレイフォンは知っている。日課とも言っていた。逃げ出した人間には思えない。
そもそもそういった類の人間ならニーナが隊員として認めていないだろう。
「化物用に作られた技術。人用に作られた技術。対人戦の技術は双方あるが実際殴り合ったらどうなるのか、ってとこでしょうか」
「剄量に大きな差でもない限りやりづらいだろうね。慣れの差で初見殺しだろうし」
このままならアイクが相手を押し切るだろう。買った券は無駄にならずに済みそうだ。
問題はニーナの方だ。動き見た限り前よりも成長しているのは確かだ。だが流石に一対三を押し切る力はないのだろう。
一撃もまともに喰らわず耐えているが防御に徹した状態だ。時間が経つごとに疲労は蓄積する。いつまでも
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