第四話
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げ相手の剣を弾き飛ばした。
そして今、バンの片手には振り上げた南刀が有り、その刃は弧を描き再度振り下ろされる。
一歩踏み込むだけで容易く南刀はアイクに届く。そして既に踏み出している。後ろへ下がるだろう相手を追う踏み込み。
苦し紛れか投げられたソードブレイカーを弾きながら一刀を放つ。
「言ったはずだ。役目は終わりだ」
相手から剄力を感じなかった。これで決まると分かった。
確信を込めバンは宣言する。宣言して南刀を振り抜いた。
振り抜く、はずだった。
「いや、ここからがオレの役目だ」
結論から言えばその刃は確かに振り抜かれた。
アイクがいた、その上方へ。バンの狙いとかけ離れた方向へ。
「――ッッ!?」
バンにはアイクの姿が消えたように見えた。トップ・ロウの余りにも極端な切り替えと呼吸を完全に合わせた初動ゼロの踏み込みがバンにそう錯覚させた。
下がるしかなかった敵は、何の恐れもなく前に踏み込んでバンの目の前にいた。
踏み込み、振り下ろされる刃の側面に拳をいれ、突き出すと同時に捻り払い飛ばしていた。
何が起こったのか。それを理解するよりも早く刻み込まれた経験はバンの体を反射的に動かし距離を取ろうとした。だがそれよりも早くバンの腹部にトン、と小さな何かが触れる。
意識さえ出来ぬ空白の間。それが生身の拳だと、そう理解できた時には衝撃がバンの全身を貫いていた。
「ァ、ぐ」
肺から空気が搾り出される。息が一瞬止まる。
気迫でこらえ、揺れる視界の中、見据えた敵はすぐ傍にいた。南刀の間合いよりも近い至近距離。錬金鋼を持たぬアイクがいた。
距離を取ろうと地を蹴るがアイクも付いてくる。剄の気配でフェイントを出し、視線を別に向け動いても騙されずにアイクは付いてくる。
斬りかかるがタイミングを読まれた様に躱される。だがアイクの拳を迎撃しようとしてもズレ、躱しきれない。
「悪い。これが本業だ」
傷だらけながら酷く楽しげにわらった徒手空拳の敵が言う。
剄の気配を読もうとするがズレる。ここだと振り下ろした南刀はワンテンポ遅れて躱され、再度振れば今度は早く届かない。
南刀を躱され間近に踏み込まれ、再度衝撃がバンを貫く。
最初とは違い、重く針で貫かれるような衝撃が突き抜ける。
「……なる、ほど」
この現状の理由にバンは気づく。
今の一撃は明らかにおかしかった。今の自分の活剄では足りないほどの剄を込めた一撃だった。だがそれは明らかにおかしい。感じるアイクの剄の気配は不確かに変化している。だが感じる高い時でさえ剄はバンの剄を一度も超えていない。
その答えは一つだ。アイクは今、活剄にほぼ全ての剄を割いている。
一般武芸者は外
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