第四話
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流れを読んだレイフォンの呼び名にクラリーベルは形容し難い微妙な表情を浮かべた。
「クララでお願いします」
「でしょー」
レイフォンとしては別に悪印象はなかったが結局元の鞘に収まったようだ。
「二人っていうか三人は同じ都市から来たんだっけ」
「一応、グレンダンからですね」
「一応ってのが気になるけどそっかそっか。私もヨルテムから友達と一緒に来たんだけど意外と多いよね。アイちゃんから二人のことは聞いてるよ」
「新聞部の性ですか?」
「まあね。情報集めが好きな私自身の趣味もあるけど」
色々やってるんだーとミィフィはいう。
「甘味処マップとか近道マップとか色々なマッピングとか目標かな。纏め終わったらスペース貰うか街角に置くのも考慮中であります」
「いいですね。その際は是非。お供しましょう」
「良いぞ良いぞ。取材の名の基に押しかけて会計オマケしてもらったり、こう、特権をね、使えたら良いななんてね!」
「宣伝代わりにですね。分かります」
レイフォンそっちのけで元気に二人の会話が進む。
「新聞部ってそのへん良さそうですよね。伝手とか歴代のがあるでしょうし」
「まあね。まあ一年の私は部員としても記者としてもそんな好き放題できないけど」
「そう言えばミィフィはどんな記事書いてるんですか?」
「新入りだからまだちっちゃい記事や簡単なことだけ。少しずつ任されていく感じ。今日なんかは次のルックンに載っける対抗戦の結果とかかな。メインは先輩だけど私も小隊の簡単な取材とか任されてるし。勝利者インタビューとかってやつ」
定期発行の情報雑誌であるルックン。新聞部の面々が受け持ちで書いていてその一部をミィフィは任されているという。まだ少しだけどいずれは、と楽しそうにミィフィは笑う。
ルックンは部数も多く人気も高い。その小さくとはいえ一部を任される、というのは凄いことなのだろう。多分。活字が多い雑誌が苦手で鍛練器具や話題の料理店くらいしか見ないレイフォンには分からないが。
通路を曲がるとその先に何人か集まっているのが見えた。人目につきにくい隅に二人の男女が壁際に立ちその周辺に数人の学生がいる。
壁際の二人の内の女性をミィフィは指差す。
「あの人が部の先輩。分かんないことあれば適当に聞けば教えてくれるはず」
「分かった。ありがとう」
「それじゃ私は行くね。二つ戻ったとこの入口の下辺りにいるから良かったら一緒に観戦しよ」
そう言って去ろうとし、けれどミィフィは何か思い出し足を止める。
「アイちゃんから聞いたけど二人って確かニーナ・アントークの知り合いだよね。ボトルレターのさ」
「そうだよ」
ニーナが都市にいた間にレイフォンの話がどの程度まで広がっているのか予想がつか
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