第四十九話 思春期B
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。この観察日記を始めて、リニスがみんなに頼られている理由がなんだかわかったような気がします。アリアさんとロッテさん、2人とお友だちにもなれました。ミッドの動物さんとも仲良くなれました。今度お兄ちゃんと遊べるときに、紹介しようと思います』
「アリシアちゃんも、お兄さんが大好きよね」
『お兄ちゃんのことを伝えると、ロッテさんがお兄ちゃんとリニスがよく闘っているって聞いて、すごくメラメラ燃えていました。アリアさんも、妹分として認められるには力を示さないと駄目なのかしら、ってグッと拳を握り締めていました。他の動物さんたちも盛り上がっています。リニスもなんだか楽しそうです。よくわからないけど、お兄ちゃん頑張って!』
「アルヴィン君! 君が知らないところですごい展開になっているよ!?」
《観察日記I》
『今日は家族みんなで、家の中でのんびりしていました。お兄ちゃんがうさぎモードのウィンを膝に乗せて、ブラッシングをしてあげていました。ウィンはすごく気持ちよさそうで、うとうとしていました。少しして、ブラッシングが終わって眠っちゃったウィンを下したお兄ちゃんの膝の上に、リニスが乗ってきました。お兄ちゃんはそれに少し驚いていましたが、小さく笑って「仰せのままに、お姫様」とリニスの毛を優しく梳いていました。それを見ていると、すごくぽかぽかした気持ちになりました。私たちみんな、仲良しです』
「最後すごくきれいにまとまった…!」
******
アリシアの作文を読み終わった彼女は、無言で観察日記を机の上に置く。そして、大きく一息ついた。今の先生の胸中で感じることは、天然とツンデレとカオスがミックスされて、さらに化学変化が起こされたそんな状態である。ぶっちゃけ訳が分からない状態だった。
最終学年になろうと、根本的なところは全然変わっていない。むしろ、行くであります! と言わんばかりにあらぬ方向に突撃していた。彼女の心の中では、応援歌が流れている。自分で自分を応援するぐらい許してください、という心境だった。
「頑張れ、私。みんな素直で元気な子たちなのよ。……大丈夫、問題ない」
暗示終了。彼女は新たにやる気スイッチを入れて、再び作文に向かう。残り6枚の作文がまだ残っているのだ。ここで終わるわけにはいかない。
先生としての意地を発揮し、己を奮い立たせる。新たに気持ちを入れ替えた彼女は、意を決して次の作文の題名に目を落とした。
『僕の食べられる召喚獣観察日記』
「召喚獣がもはや非常食扱いッ! 後回し!」
『同僚さんがいかにランデブーまでいけるのか観察日記』
「それたぶん死語だから!? 君の着眼点は本当に相変わらずだね! 後回し!」
『左腿前面にスリットラインの
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