第四十九話 思春期B
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当たり前のように男女が一緒にいるのだから、わからないでもない。その代わり、早期妊娠問題や逆に近すぎて恋愛感情がわからなくなるという問題があるようだ。こういう文化とか社会の構成って、一長一短がやっぱりあるよな。
「どうしたの、アルヴィン? ぼぉーとして」
「いや、俺たちの成長期について考えていたら、いつの間にかミッドの社会構成について考えていた」
「だから君の思考回路は、どうやったらそんな化学変化を起こせるんだ」
おかしい、なんで友人2人から諦念まじりの目で見られないといけない。
「改めて、おはようメリニス。夏祭り以来だね」
「そうね、ティオ。夏休みは研究ばっかりしていたから、あんまりみんなに会えなかったもの」
「あぁ。確かメェーちゃん、図書室の先輩さんたちと一緒に魔法の研究をしていたっけ」
「えぇ。私のお母様が使う魔法と、先輩の友人さんの得意な魔法、そして先輩の魔法技術を合わせた合成魔法よ」
少し興奮しているのか、頬を桃色に染めながら語るメリニス。図書室の先輩さんは、レティ先輩の友人さんだったっけ。俺はあんまり会わないから詳しくはわからないが、レティ先輩と一緒に中等部を卒業して管理局に就職したらしい。廃スペックトリオ全員が入ったらしいし、管理局の混沌さが増した気がするのは気のせいだろうか。
そんな先輩とその友人さんとメリニスは仲がいいようだ。ちきゅうやで3人そろって漫画やアニメを見ていたのを、俺とエイカで見守っていた。なんでも完成したその魔法は、3人の思いを1つにしたものらしい。メリニスから、図書室の先輩がその魔法で大活躍していると聞いている。うん、友情パワーって微笑ましいよな。
「そうだわ、アルヴィン。無限書庫でのお仕事ってまたない? 私に手伝えることがあったらいつでも言ってね」
「あ、あぁ。というか俺より仕事に積極的だよね、メェーちゃん」
「だって……私、あんなにもどきどきしたのは初めてだったんだもの」
美少女が恥ずかしそうに目を伏せ、桃色から完璧に朱へと変わった顔を手で隠す。大変かわいらしいのだが、興奮対象が本というのは女の子としていいのだろうか。司書である俺は、一般人の同伴を一応認められている。管理局の仕事でも、機密事項外や危険性のないものなら補佐として呼べるのだ。たぶん、資格を取った俺に一番喜んでくれたのはメリニスだろう。
なんせ俺が司書資格を取った3ヶ月後に、無限書庫への立ち入りパスを独自で入手してきたのだから。別に俺の仕事は、ロストロギアの調査や古代ベルカ語の翻訳ばかりではない。魔法技術の効率化のための方法模索や、多次元世界の情報をまとめたりという仕事もある。後半のような仕事は、民間協力者の手を借りることだってある。俺にとって、検索魔法の師匠であるメリニスの助力を得られ
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