番外7話『ドラム島で試し撃ち』
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ドラム島。
気温マイナス10℃が当たり前の凍てつくこの島は、年中休むことなく雪に覆われている白銀の島。
とある事情によりこの島には医者が一人しかおらず、ナミをそのたった一人の医者にみせるべく、ルフィたちはその医者が住むドラムロッキーという雪山を駆け上っていた。とはいえもちろん全員がその雪山を登っているわけではない。
ゾロとカル―は船の見張り番。
ウソップとビビは足手まといになるからという理由で山の麓にある町ビッグホーンという村で留守番。
というわけで今現在雪山を登っているのはハントとサンジとナミを背負ったルフィ。
ちなみにだが女性好きのサンジやナミ好きのハントがナミを背負っていないのは、ルフィがゴム人間で一番体や体の動きに柔軟性があるからで最もナミにとっての負担が少ないだろうという理由だ。
それを理解しているサンジやハントも文句があるわけもなく、せっせと雪山を登ることに励んでいた……のだが。
「ん?」
「んん?」
「……んー?」
順にルフィ、サンジ、ハント。
全員同じように足を止めて、前方にあるその存在に首を傾げている。
「なんだよ、こいつら」
「白くてでけぇから白熊だよ間違いねぇ」
「……?」
熊のような巨躯をもつウサギ、ドラム特有の肉食生物ラパーン。吹き荒れる吹雪のせいで視界が悪いこともその一因かもしれないが、ぱっと見て数を数えることができないほどの数の群れが3人を取り囲んでいた。
熊サイズというだけあって少なくとも3人よりははるかに大きな体をもつその生物たちに囲まれた時点で、普通は恐れおののくのだがもちろんこの3人が熊のような生物に囲まれたからといって危険を感じるなどということがあるはずもない。
自分たちの進路を妨げるかのように立ち並ぶラパーンの姿を、ルフィとサンジは呑気に、そしてハントは難しい顔でそれらを見つめていた。
「びびってんのか?」
ハントの表情が少しこわばっていることに気づいたサンジの問いに、ハントは難しい表情を変えることなくつぶやく。
「たぶんこのウサギらがドルトンっておっちゃんが言ってたラパーンだと思うんだけど」
「……あぁ、そういや肉食な凶暴なウサギっていってな……いわれてみりゃそれっぽいが、別にびびるようなもんでもねぇだろ」
「お前ら何言ってんだ、こいつらどう見ても白熊だろ!」
二人の会話に、ルフィが断固とした口調で言うのだが残念なことに二人はそれをスルー。ハントは唸るようにまた言葉を漏らす。
「なんか……どっかで見たことあるんだよな……ラパーンのイケてるこのフォルムを」
びびっているわけではなく、何かを思い出そうとしているらしい。
「見たことあるって……ラパーンをか?」
「おめぇ
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