番外7話『ドラム島で試し撃ち』
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「で、どうするんだ?」とサンジへと尋ねようとした時だった。
「来たぁ一気に!」
先ほどまではたった一体だけしか行動していなかったが、この言葉通り、群れのラパーンのほとんどが一斉にとびかかってきた。
「森へ逃げ込めルフィ!」
「おう!」
「俺たちは援護だ、ハント!」
「わかった!」
とりあえずは直接襲い掛かってくるラパーンをサンジが蹴り飛ばしたり、ハントが殴り飛ばしたりとしていたのだが、数は多いわすぐに起き上ってくるわ乱立する木をぶちおって突進してくるわで状況はサンジが考えたとおりに悪い。
――無駄に耐久力が高いな。
ハントも内心でため息をつく。
サンジが雪場で本来の力を全然出せていないのと同様にハントもまたそのすべてを出せてはいない。が、蹴り技だけのサンジとは違い手技ももつハントはまだサンジの受ける影響よりは幾分かマシ。加えて覇気で単純に攻撃力を増すことができるハントが本気をだせばラパーンを倒すこと……いや、殺すことすらもは実は難しいことではない。
そのハントがラブーンを仕留めることに成功していないのは、自分が想像で考えた生物が存在していたことによる愛着と、雪場に足をとられることでどれぐらいの手加減で丁度ラパーンを殺さずに気絶させることが出来るかがわからないこと。
さらにはなにより、これまで生活のため以外では狩りという行為を、命を奪うという行為をしてこなかったハントなりの想いがあったから。ハントがまだベルメールに出会う前のころ、彼が憧れていた狩人の父の姿がおそらくは心のどこかに焼き付いているのかもしれない。
状況が平時だったのならばおそらくはなにがあっても彼らに対して全力を出さなかっただろう。
だが、今はナミの命がかかっている状況。
ナミ第一のハントが、この状況でナミを優先させないはずもない。
「……本気でやるしかないな」
一度大きく息を吐き、本気で殴ると心を決めたところで、だが不意にまた状況が変わった。
「諦めたのか?」
「追いかけてこなくなったな」
ルフィとサンジの言葉通り、急にラパーンたちの姿がなくなった。
「なんか上で跳ねてるぞ?」
「……なにやってんだあいつら」
「確かに、上のほうで何か始めやがったな」
3人そろって上のほうで跳ねまわっているラパーンたちを見て首を傾げる。
それは仕方のないことだろう。
そもそもルフィもハントも頭が回るほうではなく、彼らの中では一番頭が切れるサンジも雪国を経験したことがなかった。
だから、気づけなかった。
「い、いや……ちょっと待て。あいつら……まさかっ!」
だから、真っ先に気付いたサンジの言葉も時すでに遅し。
「おい、逃げるぞ」
「逃げるってどこ
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