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ゲルググSEED DESTINY
Another2 結婚式 後編
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拍手で出迎えてください!」

「おい、運転手。いや、やはりシンだったか!何をいきなり――――」

スーツを着ていたアスランはそのまま式場の道のど真ん中を通らされる。文句を言おうにも流石に周りの空気からそこまで不躾な真似は出来ずにアスランは気圧される形で式場の扉を開けた。

「――――――――」

言葉が出なかった。目の前にいたのは予想通り、カガリだった。純白のドレスを着ていた彼女はアスランと同様にまだ状況を把握しきれていないのだろう。

「だが、俺は――――」

ここまで来て躊躇うアスラン。しかし、躊躇うのも仕方のない事だ。今の彼の立場でいきなりカガリとこんな形で流されるようにして結婚しても、彼女を幸せに出来るとはアスランには思えないのだ。

「この馬鹿が!俺達が何の考えもなしにこんなことをしたとでも思っているのか!」

「いい加減にしとけって。お前さんの考えてる事はみんな分かってるんだよ。その為に俺達がどんだけ苦労したと思ってるんだ?」

だが、そんなアスランの想いを察してか、それを否定したのは同期であるイザークとディアッカだった。アスランの事をよく理解していたのだろう。この期に及んで受け入れないという可能性を考えていたのか、書類の束を見せつけた。

「こ、これは?」

「貴様が結婚する事を躊躇う事は予想できた。だからその為の根回しだ。これだけの賛同者を集め、準備してきたのだぞ!それを不意にすることだけは絶対に許さん!!」

見せられた書類には賛同者の名前や結婚に対するメッセージが大量に記載されていた。それが何十、いや何百枚もあるのだ。
思わず言葉を失う。嬉しさが込み上げてくる。こんな時であっても、いやこんな時だからこそアスランはカガリへの愛が募った。

「……俺は、カガリと結婚しても良いのか?」

「それは当人同士の話だろ?周りに振り回されてんじゃねえ。ほら、言って来い」

そうマーレに言われて背中を押される。そんな風に押し出されつつもカガリの前に立つアスラン。

「随分迎えに来るのが早かったな」

「カガリ、俺と……俺と幸せになってくれるか?」

カガリの頬から涙が伝う。どれほど、この時を待ち望んだのか――――

「ああ、幸せだけじゃない。これからある色んな事をお前と一緒に受け入れてやる」

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