Another2 結婚式 後編
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を返すと同時に、エレベーターからアスランが現れる。
「い、いらっしゃいませ」
咄嗟に頭を下げてばれないように案内するシン。いくら変装しているとはいっても一対一で向き合えば見破られてしまうかもしれない。すぐさまレストランのテーブルに案内する。
「え、アスラン!?」
「な、カガリ!どうしてここに!」
――――出逢ってしまった。予定通りといえばその通りだが、カガリの方は不信感を募らせているのではないかと危惧してしまう。しかし、それは杞憂だったようだ。
「ぐ、偶然だな……その、何なら一緒に食事でもどうだ?」
「あ、ああ……そうだな。折角の誘いだ、そうさせてもらう」
どうやらカガリは突然の出会いに(こちら側で意図したものだが)戸惑ってはいるものの、キラ達が仕掛けたことだとは疑わなかったようである。
こういっては何だが、彼女が単純な人物で良かったとその場にいた当事者たちを除く誰もが思う。
「その、何で急にプラントに?」
「そっちこそ、何でこの場所にいるんだ?」
気まずいというほどではないが、どちらも話しかけづらいといった様子である。陰で様子を見ていたシンやルナマリアは「何やってるんだ、このヘタレ!」といった感じで見続けるが、二人が言える台詞ではないだろうとマーレが冷ややかな目線を向け、キラはその様子に苦笑いする。
「質問を質問で返すな。俺は仕事でな――――このコロニーで交渉しなくちゃいけない相手が偶々いたんだ」
「そうなのか、私の方はキラの付添だ。ニュータイプに関して新しい情報が手に入ったとか何とか」
二人がそうやってしばらくの間雑談を交わし、シンやルナマリアは従業員として時々彼らの様子をうかがいながら行動する。そうしてコースのデザートまで食べ終えた二人は会計を支払ってエレベーターに乗る。
「キラの奴、戻ってこないのか?折角、アスランと会ったというのに……」
マーレに連れていかれたのだから、もしかしたら今晩は帰って来るのは遅いのかもしれない。尤も、ホテルの部屋は隣であって同室ではないのでカガリからしてみれば明日の朝までに帰って来るのであれば全く問題はないが。
「カガリ……折角だし外に行かないか?」
――――だからこそ、その誘いにカガリは付き合った。
「こうやって、私的な時間としてアスランと会ったのは久しぶりだな」
ホテルのすぐ外はそれなりに景観の良い場所だった。プラントの内部を一望でき、輝く夜景の光は宙に舞う宝石の様に映える。
「確か、最後にこうやって気兼ねなく会えたのは戦争が始まる前だったか?」
カガリに指輪を渡した時の記憶がよみがえる。今もカガリの左手には、指輪が嵌められていた。
「カガリ……俺は――――」
思わず口にしよ
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