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鋼殻のレギオス IFの物語
第三話
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切れ味が上がるらしい。

「素材が関係ないからな。これは他の錬金鋼へもすぐに応用出来る。シュミレーションで結果が出しやすく安価だが、他のと比べるとそう飛躍的な物ではないがな。こんなもの余興程度に暇つぶしで走らせておけばいいのだ」
「それって馬鹿にしてるの?」
「そういうわけではないさ。だが単純に効果を上げるなら変換効率を上げる方が楽だということだ。熱が生まれるのは変換されきれてない無駄があるわけだ。そちらの改善の方が技の威力にも直結する。複数錬金鋼のアモルフォスを検討したほうが良い」
「そう言っていつも過冷却し過ぎて錬金鋼壊してるじゃないか。予算には限りがあるんだよ。全然見通しが経ってないしそれなら試作品のカートリッジタイプの方がまだいいって。使い分けできるし、何より実物がある。結果出さなきゃ駄目だってわかってるからあれも着手してるんでしょ」
「単なる固定化なら目安は出来ている。後は設定面での柔軟性と安定化だ。そもそもカートリッジはその性質上複数錬金鋼とそれに見合う剄量を要求される。そこにいるような一部例外にしか無用な物など意味は薄い」
「安定化って一番駄目な所でしょ。設定が変わるなら固定化の詰よりも磁化曲線とでもにらめっこしてなよ。僕も関わってるんだから目安出来てるならさっさとやってよ」
「貴様こそさっさと具体的データを纏めろ。現状では熱変性で容易く変わるぞ戯け」

 ハーレイとキリクが互いに論をぶつけ合う。
 
「実際に使う人にとっては実物があるっての一番なんだよ。理論だけで終わるなんてダメだ。だよねレイフォン」
「まあそうですね」
「複数の錬金鋼の長所があったほうがいい。妥協で選んだ武器を使いたくはないだろうアルセイフ」
「まあ、確かに」

 適当に答えていく。マトモに取り合っても面倒だし、そもそも理解していないのだから口の挟みようがない。
 手持ち無沙汰げにレイフォンは剣を軽く振り、刃表面の粒子を触る。刃引きされているので刃部分を触っても指が切れることはない。指の腹がくっつかずにするりと滑っていく。
 
「こんな感じなんですか」
「こんな感じなんです。暇って言ったじゃないですか」

 触らせてと手を伸ばされ剣を渡す。クラリーベルは撫でたり溝を爪でなぞったり。
 よく分からない単語を応酬する二人を前にレイフォンはシュナイバルを思い出す。サットン親子が会話している姿はよく見ることがあった。
 肩を叩かれたレイフォンが振り向くとクラリーベルが剣を構えていた。

「真剣白刃取りってあるじゃないですか」
「はい」
「あれって実際どの程度出来るものなんですかね」
「サヴァリスさんは……ああでもあれ実物じゃないか。どうなんだろうね」

 やってみたいというクラリーベルに答え剣を受け取ったレイフォンは何
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