第三話
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ね」
「謝る必要はないぞハーレイ。何も知らず興味無い癖に来るこういう女どもは面白くないと勝手に吐き捨てて帰るような奴らだ」
「去年のことを引きずり過ぎって。クラリーベルはレイフォンと同じ側の人だから平気だよ」
机の上の書類。それと部屋の奥にあった機材をハーレイは運び、コードやら何やらを配線していく。
「ハーレイさん、彼は」
「ああ、キリクは知ってる側だから大丈夫だよ。口止めもしてあるから」
放課後すぐではなく夕焼けに染まり始めるような時間になってから研究室に来たのはレイフォンたちの事情を加味してもらったためだ。同じ研究室の面々が居なくなってからからでないと話はできない。
そういった意味で今この場にいるキリクはこちらのことを知った上で問題のない人物なのだろう。
ハーレイが言うには研究分野の関係でレイフォンのことを知っているのは研究室ではキリクだけらしい。
「力があるくせに使わんのは気に食わんが他所に逃げられても困る。言いふらし理由などない。安心しろ」
「そういう訳だから平気だよ。口は悪いけど性根は問題ないから。……よし、これで良いかな。レイフォン、調整するからこれ握って」
差し出された柄だけの部分の錬金鋼を握る。いつも剣を握る時と同じように力をいれる。柄尻部分から伸びたコードはハーレイが操作する機械と連結されており、伝わったデータを元にハーレイは柄の弾性力や形状を変えていく。
「レイフォンは手伝ってもらうけど、悪いけどクラリーベルは見てるだけになると思うよ。退屈かもしれないから飽きたら気にせず帰っていいからね。さっきのキリクの事なんか無視してさ」
「何するのか興味あるので平気です」
「ならいいんだけどね」
レイフォンがクラリーベルの方を向く。
「多分ですけど、本当に暇になりますよ」
「そうなんですか?」
シュナイバルの時のことを知っているのでそうレイフォンは言うが、クラリーベルは今ひとつ分かっていない様だ。
クラリーベルはグレンダンでいつもしていた錬金鋼の調整くらいだとでも思っているのだろう。レイフォンも最初はその程度としか思っていなかったのでしょうがないが、これは言葉で言って分かるものでもない。
実際に体験してその暇さを理解して貰うしかないだろうと何も言わずレイフォンは視線を戻す。
「調整はこのくらいでいいかな。じゃあ復元するよ」
入力信号が送られ、レイフォンの手の中で一本の剣が復元される。
青石錬金鋼の片刃で直刀の剣だ。刀身は幅広で大きく、表面にはうっすらと紋様が刻まれている。蛍光灯の光を受けて細かな粒子が輝いている。
「片刃なのはキリクの推薦だよ。そっちの方が合ってるんだってさ」
「データは見させて貰ったが不足していてな、今後少しずつ
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