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鋼殻のレギオス IFの物語
第三話
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なかったものはそうなるものが多かった。レイフォン自身何度か絡まれたことはある。
 幼い少年が大会で優勝し名が売れれば年上のそうした連中からのやっかみもある。幼かったのだろう。他の手段も知らず面倒だからと、さっさと実力の差を見せてのす事がほとんどだった。

「そういえばレイフォン、ちょっと調べたんですけどね」
「はい」
「私たち以外にもそこそこ居るみたいです。教養科の武芸者」

 気になったから調べたのだとクラリーベルは言う。

「ほら、フェリさんいたじゃないですか。それでちょっと疑問に思って」
「そういえば確かにロス先輩もそうだね」

 教養科から武芸科に移った先輩のことをレイフォンは思い出す。身近な実例だ。
 武芸者なのに教養科なんて、と思っていたがそこまで珍しいわけではないということなのだろうか。

「ですから仕方ない場合は武芸者だとバラすのは良しということで。頑なに一般人だと嘘をつき続けた方が悪印象かもしれません」
「分かりました」
「ただ無意味に言う必要もないので明言せず、適当に誤魔化す感じでお願いします。アイシャさんもそれでお願いします」
「分かった」

 いざとなればバレても問題ない。そのことに少しレイフォンは気が楽になる。物事を隠し続けるというのは苦手なのだ。

「そういえばミィが、その新聞部の子が今度の小隊戦を見に行くって言ってた。誘われたから行くけど、二人は行くの?」
「ああ、ありましたね確か」

 アイシャの言葉にクラリーベルが思い出したように答える。
 小隊同士の対抗戦。二つの小隊が攻防に別れ勝ち負けを競う試合だ。結果は都市間戦争の際の指揮系統における順位などに影響する。また、単純に小隊からしたら自分たちの強さやそれまで鍛錬の成果を示せる日でもある。
 武芸者による本気の争いが一般人にも見れる機会でもあり娯楽要素も含め人気は高い。新聞部の人間なら関心を示すのも当然だろう。
 レイフォンの記憶が正しければ次の小隊戦、出るのは

「十七小隊が出るはずですよね。見に行くつもりです。ねえレイフォン」
「うん。ニーナさんが出るなら見たいね」

 関わったのは一時といえ、今のニーナがどの程度の強さを持っているのかレイフォンには興味があった。練武間での練習風景は見たが練習と試合は違う。それにニーナが隊長を務める小隊だ。どんなチームなのか他の隊員の事も気になる。
 その日空いているか、バイトのシフトが平気だったか確認しないといけない。

 食べ終わり空いた皿を片付けながら、レイフォンは頭の中で予定表を開いた。








 放課後の時間帯の居住区に小さな駆動音が響いていた。シティローラーと呼ばれる二輪駆動車の駆動音だ。路面バスよりも幾分早い速度で道路を通過して
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