第三話
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クラリーベルは続ける。
「勿論、だからと言って考えてないわけでもないですけどね。正直ここで頑張らなくても帰れば何とかなるかなとか甘えですし」
「……」
何故視線がこちらをを向くのかレイフォンは不思議だった。不思議だったが、何か言っても意味がなさそうなので黙って静かに箸を動かし続けた。
それでもとりあえず思ったのは、頑張るのは何も勉強に限らないはずだという思いだった。
「とは言っても決めるのは三年後ですし今どうこう言う必要もないですけど。正直一年の今の時期で決まってる人なんてロクにいないですよね」
なら何故聞いた。
自分で話題を振り返事も聞かず自分で回収したクラリーベルにレイフォンは内心突っ込んだ。
「……手伝いを」
一瞬、視線がこちらを向いた気がした。
「『誰か』がやるべきことを。やると決めて、けれど何らかの事情で足止めに会うことがあるなら、それの手伝いをしたい」
「困っている人の手助けって事ですか?」
「そう、なのかな」
自分自身分かっていないかソレを探るようにアイシャの視線が宙を見る。
「何でも上手く行くとは思わない。必要な障害もある。けど、いらない障害があるなら、それをどけられれば良いなと」
「考えてるんですね結構真面目に。私なんか現状、適当にやって興味持ったの流れで決めようかなとか思ってますよ」
それは甘えではなかったのだろうか。
「真面目に遊ぶつもりなんでいいんですよ其の辺は」
視線に気づいたらしくクラリーベルがレイフォンを見て言う。
「私の周り、結構やりたいこと決まってる人が多いけど、普通は違うんだ」
「周りって、一緒にいるクラスの人の事ですよね」
「そう。ミィ……一人は記者で、もう一人は警官って言ってた。だから新聞部と都市警にいるって」
「夢に一直線ですね」
しみじみとクラリーベルが言う。
入って一年目で何がやりたいか決まっているなんてレイフォンからしたら理解が及ばない。決められていたのでもなく必要に迫られたのでもない自分の意志が決まっている。熱意があり遠い世界の話のようだ。
「それにしても記者で新聞部ですか。いいですねえ。新聞部って結構いろいろやってるみたいですしコネもありそうです。便利な情報源を持てるって良いことですよほんと」
「色々聞くよ。美味しい店の話とか、不良のグループの話とか」
「あー、やっぱりそういうのもいるんですね。人が集まれば当然といえば当然ですが」
どこの都市にもそういった外れ者はいる。集団行動が合わぬ者、成績不振でグレた者。そういった行動に憧れて入った者。理由は目的は様々だ。中には小隊関係者に絡もうとする者もいるという。
グレンダンにも試合成績が振るわず「武芸者」として認められ
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