Another2 結婚式 前編
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戦争が終結し、はや一年。大戦の終わりから臨時としてザフトの指導者の一人となっていたアスランは正式にその役職を受け、今やプラントのトップの一人に数え上げられる人物となっていた。
「はぁ……」
しかし、彼自身はその役職を好んで受けているわけではなく、あくまでも代役が居ないからという理由で受けているに過ぎない。戦後の復興の為、酷く人材不足という事もあり、たかが一年程度では後任を任せることの出来る人材も育成されておらず、アスランが辞めるのはまだ大分先であろうという事が予測された。
「一々溜息をつくな。鬱陶しい!貴様も人の上に立つ立場だというのであればそれを自覚しろ!」
「十分自覚しているさ、イザーク。だからこそ、こうやって溜息をつかざる得ないんだろ?」
横に並んで共に歩いているのはイザークだ。彼も戦後にプラントの重要な立場に就くこととなり、日々アスランと同様に忙しく駆け回っている。同等の立場となったアスランとイザークは今のように仕事に関して話し合う立場でもあった。
「ラクス――――いや、ミーアがラクスを演じることを辞めてくれたのはありがたいが、事実として彼女が居ない影響というのは大きい……デュランダルのやり方は問題もあるが、確かに有効だったと認識させられる」
デュランダル前議長という言い方も、死刑判決が下されてからは流石に問題もあるだろうと思ってか、デュランダルと呼び直すようにしている。しかし、彼のやってきた行動がいかに政治的に有効だったかを近い立場に立ったからこそ実感させられていた。
ミーアを偽者のラクスとして政治的なプロパガンダとして有効活用した方法は決して誉められた手段ではないが、国民には大きな影響を与えたのは間違いない。
だが、ミーアは自分自身思う所があったのか、アスランに相談するという間接的な行動ではあるものの、ラクスを演じることを辞めたいと言ったのだ。様々な葛藤があったのだろうと思わせるそのミーアの表情からアスランは――――
『それは俺が決める事じゃない。だが、君がそうしたいというのなら俺はその選択を支持しよう』
そう言ってミーアは結局時間こそかかったもののラクスを演じることを辞めた。しかし、その影響が全くなかったというわけではない。
前もって引退という名目で辞める準備を整えることから、政治的な影響から切り離す為に行った事から、事後処理からと、思わず弱音を吐いてしまうほどに、やらなくてはならないことが大量に存在していた。
「そう言えばイザーク。お前が結婚すると聞いたんだが?」
「な、何故貴様がそれを!?」
仕事の話ばかりでは気が重いとアスランは思って、話題を変えようとつい最近聞いた話を持ち出す。イザークは何故知ってるとばかりに驚愕する。
「いや、普通にディアッカから連
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