Another2 結婚式 前編
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絡が来ていたんだが……」
「あいつ、何を勝手に!」
どうやらイザークにとって相当恥ずかしい事だったようだ。出来る限り遅くまで知られたくなかったのだろう。まあ、友人の結婚に関する話などというのは話題にされやすく、本人が聞くものとしては恥ずかしいのは事実だろう。
「フン、まあいい。そういう貴様の方は如何なのだ?」
「え、いやどうって言われてもな――――」
「自分の立場を自覚しろ。これから先、一年や二年ならともかく貴様もいつまでも独り身というわけにはいくまい」
そう言って、この話は終わりだとイザークは早歩きで先に進む。アスランはその言葉に考えさせられ、結局、その日一日はあまり仕事が捗らなかった。
結婚――――類義的な言葉として婚姻なども存在し、結婚することは互いの愛を確かめ合うことの出来る至福の一つである。尤も、政略結婚や、子を産むために恋愛感情のない相手同士が結婚することなどもあり、他にも結婚後に破綻して離婚したりすることもあるので、一概に幸福を得られるとは言い切れないが、少なくとも大多数にとっては幸福な出来事の一つだと言えた。
「結婚か……」
仕事を終え、自室に戻ってきたアスランはそう呟きながらベッドに倒れ込む。考えてこなかったわけではない。寧ろ、これまで随分と先延ばしになってきた事柄だろう。
ラクスとの許嫁の関係――――これは最終的に本人同士が納得した上で解消した。その偽者を演じていたミーアに関してもアスランに対する好意が消えたわけではないが、ラクスを演じることを辞める以上、アスランは彼女との関係を深めることはないだろう。
「今なら、君を迎えに行くことも出来るのか――――カガリ」
胸の奥に温かみが増すように思い浮かんだのはオーブに居るであろう金髪の女性、カガリ・ユラだった。今の彼女はオーブの国家元首でもアスハの人間でもない。であれば、ザラの人間であるアスランが彼女と結ばれるのも決して不可能なことではない?
「だが、そうだとしても今は無理な話だな……」
決して不可能なことではないが、難しい。ましてや今の情勢は戦争こそ終結したものの、その下火が完全に消え去ったわけではないのだ。戦後の復興の為に、アスラン達プラントの人間の忙しさは増すばかりである。
そんな状況で、自分の為だけにカガリと結婚しようとすれば、オーブとの関係や手間を考える限り、プラント全体に負担が掛かるだろう。だからアスランは諦めの気持ちを浮かべながら、溜息をつく。
アスランの結婚は、別に今すぐに必要というものではない。なら、プラントを優先すべきだと考え、ベッドにそのまま寝入った。
◇
「――――というわけだ!」
「……何がというわけなんですか?」
話が見えない――――いや、そ
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