暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア0/D  No.0 & DollMaster
絶望の宴編
首斬り人形
1幕 『惨殺』
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、少女の方もそれはわかっているようで、『木製人形』を絶妙のコントロールで操って、俺を自分に近づけさせないようにしている。

 かといってこのまま相手の攻撃を防御し続けるのも不可能だ。少女の消費するエネルギーにもよるが、これだけ派手に能力を使っているってことは、しばらくエネルギー切れはないということだ。確実に俺の体力が先に底を尽く。

 こうなったら最後の手段に出るしかないか?

 一応、俺にはこの状況を打破する手段が1つだけある。なるべく使いたくないのだが、今は緊急時だ。やむを得ない。使ってしまおう。

 俺は全力で地面を蹴り、『木製人形』から距離を取る。

「……もう終わり?言っておくけど、逃げようとしても無駄だよ?この周辺は今、私のくまさん達に包囲されてるから」

 マジですか。この周辺を包囲できるとか、どんだけ『くまのぬいぐるみ』持ってるんだよこいつ。

 でもま、それは逆に好都合だ。この周辺を包囲してるってことは、今この場所に人が来る可能性は限りなく0に近いってことだからな。これでなんの気兼ねも無くあれを使えるぜ。

「逃げるつもりはないさ。むしろ俺は今からおまえの人形を突破して、この戦いを終わらせる気だ」

 勝ち誇ったような笑みで勝利宣言する俺に、少女は軽くイラッときたのか、少し怒気を言葉に滲ませて言う。

「……へえ。それは楽しみね。まあどうせ無理だろうけど」

 俺はもうその言葉に返事を返すことをせず、どんどん集中していく。全身に流れる力が、俺の右目に集まるように。

 俺の黒い髪が徐々に白くなっていき、輝きだす。

「白き光を持って破壊を齎せ!

 聖を退け天を得て神を滅せ!

 我は万物を零へと還す者!破壊と消滅を司る者!」

 この一言一言が血を、肉を、脳を変えていく。これこそが俺の切り札。

「天零回帰!」

 俺が叫ぶと同時に、髪が一際大きく輝き、徐々におさまっていく。

 光が完全に消え去ったあとその場に残っていたのは、真っ黒だった髪が白くなり、右目のみが金色に輝いている俺の姿だった。

 いやー、久々になったな。このモード。いつぶりだっけなるの。ちょうど1か月ぶりくらいか?

「……あなたも超能力者だったの?」

 俺の変貌に目を丸くしている少女が、探るように聞いてくる。

「いや、俺は別に超能力者じゃない。これは、なんていうか、その……あれだ。強いて言うなら体質だ」

 と、思う。正確なところは知らない。別に興味も無いし。

「そんじゃまあ、いっちょやりますか」

 そう呟いた俺は、一瞬後には『木製人形』に肉薄していた。

「……ッ!?」

 少女が焦っているのが手に取るようにわかる。実際、集中力が乱れたのか、『木製
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ