祝勝会
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確かに、祐里によって意識が統一されても、たかが幽霊である。まつろわぬ神には勝てない。足止めすら出来ないだろう。千集まろうが、一万集まろうが。
・・・だが、十万なら?百万なら?
アーグラという都市の人口は157万人以上。観光客を含めると、160万に届くかもしれない。人間だけじゃない。犬や猫などの動物を含めれば、その数は倍以上に膨れ上がる筈だ。
そしてそこに、小さな昆虫や植物などを含めたら?その総数は、一体どれほどになるのだろうか?
それら全てが、ただ足止めだけに力を費やせば・・・まつろわぬ神といえども、止められるのではないか?
物理的に止める必要などどこにもない。そう、例えば・・・
叫ぶ、とか。
「みーこさんやリップルラップルだって、騒音には耳を塞ぐ。五月蝿いってね。
例え、まつろわぬ神が人間を石ころか何かとしか認識していなくても、私たちの声は聞こえているんだよね。人間が、コオロギとか蝉とかの虫の声を聞けるみたいに。
ルリム・シャイコースは、人の魂を喰らう邪神。当然、幽霊の声も聞こえる。億や兆に届く・・・いや、超えるかもしれないほどの幽霊が出す騒音。それを耳元で聞かされれば、悶絶するのも当然か。」
そして、それを邪魔されない為に、自身の身体の一部を炎の糸と化して巻きつける。神獣未満の力しか持たないが、十数秒の時間が稼げれば良かったのだから。
そして、それは成功した。
ルリム・シャイコースの敗因。
それは、意味もない虐殺だったのだ。
「鈴蘭さん。確か、あの時世界中の人間を生き返らせたのは鈴蘭さんなんだよな?だったら、今回も何とか出来ないのか?」
改めて今回の事件を振り返り、被害の大きさに溜息を吐く護堂。そして、鈴蘭に尋ねた。・・・が、彼だってわかっている。それが出来るなら、既にやっている筈だ。人が生き返るなんて世界中で混乱が起きるとか、そういうことを考える人間じゃないのは既に理解しているのだ。そうじゃなければ、あの騒ぎだって起きなかったはずだし。
ならば、未だにやっていない理由があるはずで。
「あ〜あの時の事?あれはね、私がやった訳じゃないの。知り合いの神様にやってもらったことなの。対価は私が渡したけどね。その時に、『もう二度と死者蘇生なんてやりません』って釘を刺されちゃっててねー。」
今明かされる衝撃の事実である。
「知り合いの神様って・・・いえいいわ。下手に突っ込むと痛い目を見そう。」
「・・・あはは。」
護堂と違い、魔術にドップリと使っている二人は、神様に頼みごとが出来るというその事実に目眩を覚えていた。そして、天敵であるハズの神殺しに手を貸すまつろわぬ神がいることにも驚いていた(まつろわぬ神ではなく、正規ルートを通ってきた
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