祝勝会
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手を叩いて黙らせると、鈴蘭は書類を取り出した。
「取り敢えず、君の実家には連絡しておいたから。泣くくらい凄く心配してたから、後で電話でもしてね。」
「は、はい!」
【聖魔王】との会話で緊張する祐里。それを苦笑しながら話を続ける。
「で、祐里ちゃんの検査結果なんだけど・・・うん!問題はなさそうだね。ただ、ちょっと強い衝撃を受けると、炎になっちゃうのは制御の訓練が必要だと思うよ?日常生活が送れなくなるでしょ?」
「はい・・・。」
少し落ち込み気味の祐里。実は、あの戦いが終わって船に帰ってきてから丸一日を、祐里の検査の時間に当てていたのだ。
「鈴蘭さん。そんなに詳しく検査する必要があったのか?」
という護堂の質問に、しら〜っとした表情を浮かべる三人。これには護堂も焦る。
「あのね護堂君。クトゥルフは有名だから、名前とかくらいは聞いたことあると思うんだけど?それを理解した上でそんな質問してるの君は?」
と鈴蘭。
「護堂。病院でも説明したわよね、クトゥルフの神々がどれだけ危険か。それは、貴方だって嫌になるほど体験したと思うのだけど?ましてやこの娘は、貴方がクトゥグアから簒奪した権能と、ルリム・シャイコースの権能の二つの影響を受けたのよ?肉体的、精神的に、私たちが見逃した変化があるかもしれないでしょう?」
呆れ顔でエリカが言い。
「護堂さん・・・。私も、自分がどうなっているのか気になっているんです。護堂さんの権能を受けたのは後悔していませんけど、護堂さんも把握していなかったあんな能力まで発現してしまっていますし。」
最後に当事者である祐里が締めくくった。
「あ、ああそうだよな!お、俺が悪かった!」
流石に、三人に言われては何も言い返せない。そもそも、彼が意図していない能力があるのは事実なのだから。他にも何かがあるかもしれないというのは分かる話であった。
「それにしても、護堂君自身も把握してなかった能力が生まれたから、最悪の場合『精神汚染』の力も受け継いでいるかと焦ったけど・・・そういうのが無くて本当に良かったよー。」
何せ、先ほどエリカも言ったように、祐里はルリム・シャイコースと、護堂が簒奪したクトゥグアの権能を受けたことになるのだ。護堂の眷属になるということは、フサッグァになるということ。所詮は眷属なのでそこまでの力は無いだろうが、精神に干渉する力を持っていても何ら不思議ではなかった。
「これで、エリカちゃんともキス出来るよ!やったね☆護堂君!」
「やったねじゃないですよ!!!」
とてもいい笑顔でサムズアップした鈴蘭に、全力で突っ込む護堂。彼は、どうしてこうなったと頭を抱えた。
実際、隠してお
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