記憶の扉
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
見開いた。
ぞわっ、と寒気が走る。
「ジェラール?」
持ち場に行かないジェラールをエルザは不思議そうに見つめる。
ジェラールは小刻みに震えながら、頭を押さえていた。
「いや・・・何でも・・・ない・・・」
震えと頭の手はそのままに、ジェラールはつかつかと歩いていく。
背を向けていた為、エルザは気がつかなかったが―――――
「ナツ・・・ドラグニル・・・ティア・・・T・・・カトレーン・・・」
ズキズキと痛む頭を押さえるジェラールの表情は険しく。
2人の名を呟く声は―――――憎しみに似た感情に、溢れていた。
「だぁらぁああぁあぁっ!」
雄叫びを上げながら、ナツは炎を纏った右拳を振るった。
ゼロはそれを軽く後ろに下がって回避する。
「!」
そこからナツは軸となっている右足で軽く地面を蹴り、拳を振り切った勢いのまま体を捻る。
勢いを崩さずナツは炎を纏った足で、ゼロの頭部目掛けて回し蹴りを放つ。
が、ゼロはそれをしゃがむ事で回避した。
だがこちらもそれを想定していたらしく、ナツは大きく息を吸い込んでブレスを放った。
そのブレスは小規模の爆発を起こし――――――
「ほう、さっきよりは動きがいい」
「!」
それにも拘らず、ゼロには傷1つついていなかった。
「常闇奇想曲!」
ゼロが左手を構える。
そこからブレインと同じ、黒い回転するレーザーのような魔法を放った。
「くっ!」
ナツは身を左に逸らして避ける。
魔法はナツの背後の地面に直撃した。
が、目の前にいるのはブレインではない。
「ブレインのものと一緒にするなよ」
「!」
ゼロが左手を動かした。
すると、ゴゴゴゴ・・・と何やら音が響く。
「ぐあっ!」
先ほど壁に当たったはずの常闇奇想曲。
そして常闇奇想曲は貫通性の魔法。ジュラの岩鉄壁さえも貫いてしまう。
その貫通性をフルに活用して壁の中を掘り進み、ナツの足元へと現れ、ナツを襲った。
「ははっ!」
ゼロが左手を振るう。
それに動きを合わせるようにレーザーも自由に動く。
「がはっ!うあっ!」
左から来たと思えば右、上から来たと思えば足元と目で追う事も難しいほどの速度で常闇奇想曲はナツを攻撃し続ける。
「クハハハハハッ!壊れんのはどっちかって!?テメェに決まってんだろうがーーーっ!」
邪悪な笑みを浮かべ、ゼロは常闇奇想曲を操作し続ける。
すると、ナツは左拳を振るった。
「火竜の・・・鉄拳!」
その左
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ