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Fate/EXTRA IN 衛宮士郎
再会
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郎さんですよ。予選を突破したことでセラフから記憶(メモリー)は返却させていただきましたので、ご安心を」

用意された台本を読んでいるかのように淡々と説明をしていく。
……………それはとても俺の知っている彼女の対応ではなかった。
俺にとっては、今目の前にいる少女は家族同然だというのに…………その上、ムーンセル?予選?セラフ?メモリー?駄目だ、言葉の意味は分かるが内容が理解できない。しかし、一番気になったメモリーだけでも聞いてみよう。

「メモリーが返却とはどういうことなんだ?」

「はい。詳しく説明しますと、聖杯を求める魔術師は門をくぐる時に記憶を消され、一生徒として日常を送ります。そんな仮初の日常から自画を呼び起こし、自分を取り戻した者のみがマスターとして本線に参加する。以上が予選のルールでした」

つまり桜の話をまとめると一旦記憶を抜かれても自分を取り戻したのなら記憶が戻ってくるという話だ。しかし、

「……桜、俺、どうしてここにいるんだ? まるで思い出せないんだが……」

学園にいた頃は、普通の日常だと思い込まされていたということはわかった。けれど、どうしてこんなことに巻きこれてしまったのかと言う記憶が思い出せない。

「記憶の返却に不備があるのですか……?困りましたね……、そこは私の管轄外ですのでなんとも言えません」

「………………そうか」

「あ、それからこれ、渡しておきますね」

桜は何かを差し出してきた。差し出されたものを見てみる。見たところ携帯電話のようなものか?

「これは?」

「携帯端末機です。本戦の参加者は表示されるメッセージに注意するように、との事です」

端末メニューを開いて見てみる。そこにはいくつかの項目があった。一通り見て、どのようなものがあるのかを確認し、だいたい見終わって理解したので、閉じた。

(とりあえず、ここにいてもしょうがないな………)

じっとしていても仕方ないし、いろいろと調べてみよう。もらった携帯端末を胸ポケットにしまう。

「それじゃあ、俺は行くよ。ありがとうな桜」

「あっ………はい。衛宮さんも頑張ってください」

保健室を出た。廊下に出るとすぐさま壁にもたれて

「はぁ〜」

大きな溜め息をつく。
少し話して見てわかったが、あの桜は俺の知っている桜ではない。
だが、やはりと言っていいか、ちょっと精神的にくるものがある。

「溜め息をつきたいのはこちらの方だ」

そんな俺を尻目に、傍らに忌々しい赤いサーヴァントが現れる。

「貴様、どうしてここに来たのか分からないのか?」

「ああ、さっぱりだ」

「ふむ…………では質問を変えよう。貴様はどこまで覚えている?」

「覚えていることか…………そう
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