暁 〜小説投稿サイト〜
神器持ちの魔法使い
フェニックス
第12話 婚約だって?
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得してなかったんだ。レイヴェルのあんな顔見たらいろいろ妨害したくなるさ。でも、結果としてじい様らもレイヴェルも被害を受けずに済んだんだ」

「そうだな。まさかあの者たちが裏でテロ組織らしき集団と繋がってたとはな」

そのことが公になって縁談は白紙に戻った。
理由は不明なのだがおそらくフェニックス家の何かを狙っていたに違いない。
本人に尋問しようにもその前に何者かによって殺害されて聞けずじまいだ。

「でもでもおにーさん一人で行っちゃったからみんな心配してたんだよ?」

「そのことは何度も謝っただろ。まあ、反省はしてるけど後悔はしてないけどな」

当時は向こうの屋敷に単身で乗り込んで大暴れした。
そう言われるけど、本当のところは相手方に正論をぶつけると皮が剥がれて多人数で俺を殺そうとしたから抵抗して返り討ちにしただけ。

とはいえ心の奥底にあったのは、レイヴェルを泣かせた奴を許さない、レイヴェルを守りたいとかいう子供じみた感情だったな。
でも、そんな想いでも神器は応えてくれた。
おかげで、大きな怪我をすることもなかった。

「でも、本当にレイヴェルが無事でよかったよ」

心からホッとしたような笑みが自然に浮かぶ。

「あ、ありがとうございました」

いつもと違い、尻すぼみの言葉にうん、とだけ答える。

そんな様子にイルとネルからニヤニヤと含み笑いをされる。

「い、イル、ネル!!」

ハッとしたレイヴェルが顔を赤くさせ叫けんだ。

「全く、秋人がいると一段と騒がしくなるな」

「だな。でも、嫌いじゃないよ」

イザベラと苦笑しながら三人を見守る。
しばらく続くそうなやり取りを。
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