暁 〜小説投稿サイト〜
ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
09.洋上の聖戦
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けではないということだ。
 だが、古城の眷獣と彩斗の眷獣を合わせれば、ナラクヴェーラを倒せる可能性は高まる。
 現状況でも古城の眷獣でもナラクヴェーラの一機も倒すことが出来ない状況では、今の最善策は……

 雪菜は一つ深いため息を洩らし、自分の制服を結んでいるリボンをほどく。

「ひ、姫柊さん!?」

 顔を真っ赤に染めて後退していく彩斗。
 雪菜はあらわとなった首に“雪霞狼”の刃でで軽く傷を入れる。ちくりと痛みが走ったのちに首から鮮血が滴る。
 後退していた彩斗の瞳は赤く染まり、口元からは鋭く伸びだ牙がのぞく。吸血鬼の吸血衝動の源は、性的な興奮である。
 雪菜は、後退していた彩斗へと徐々に近づいていく。

「わたしの血を吸ってください、先輩」

「いや、でも……」

 あからさまに戸惑っている彩斗。

「やはり、わたしでは、興奮しませんか。先輩はやっぱり……ロリコンなんですか?」

「だから違ぇつうの!?」

 彩斗は叫び、突如として姫柊を抱きしめた。突然の行動で少し戸惑った。
 彩斗は、耳元で小さな声で囁く。

「俺が言ってるのは、姫柊がいいのかってことだ?」

「え?」

「どうせ、この場で最善の策だからとか考えた行動だろ?」

 ドッキとした。心を読まれていたように彩斗は言い当てる。

「確かにそうですけど……」

 彩斗は赤く染まった瞳をこちらに向けて笑う。

「もっと自分を大事にしろ」

 そういいつつ不器用な笑みを浮かべて雪菜の頭を小突く。

「それでも……先輩になら別に大丈夫です……少しくらいなら」

「おまえ……その言葉は反則だろ」

 そう苦笑いを浮かべると彩斗は、戸惑いを浮かべながらも雪菜の首筋へと彩斗は牙を突き立てた。

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