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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
09.洋上の聖戦
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の二人の部下がいる。
一人の手にはPCタブレット、もう一人は両脇に制服姿の少女を一人づつ抱えている。
「藍羽先輩!? 凪沙ちゃん!?」
ぐったりと眠る二人を見て、雪菜が短い悲鳴を上げた。
突進しようとする雪菜の眼の前を、真紅の閃光が薙いだ。
「あぶねぇ!!」
彩斗は雪菜の手を引っ張りこちらへと抱き寄せる。
「ナラクヴェーラ!? まさか……!?」
「動きやがったか」
海面を突き破るように古代兵器が“オシアナス・グレイヴ”の船体に張り付いている。
「石板の解読は?」
「終わったようです。内容の正確性については、グレゴーレがすでに確認してます。あのように」
そうか、と満足そうにガルドシュがうなずいた。
「──ということだ。投降したまえ、獅子王機関の剣巫、真祖殺しよ。私もヴァトラーをずいぶん待たせてしまった。きみたちの相手をしている暇はもうないのだ」
ナラクヴェーラに引っ張られて、“オシアナス・グレイヴ”が、海上を漂う十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
に接近する。
雪菜がどうしようもできない中、彩斗は不敵な笑みを浮かべた。
「なにがおかしい」
「いや……あんたがなにもわかってねぇからさ」
ガルドシュは、彩斗の方をじっと見て次の言葉が来るのを待っている。
「あんたは、
神意の暁
(
オレ
)
とあの
第四真祖
(
バカ
)
を甘く見過ぎだ」
その瞬間、耳を劈く絶叫にも似た獣の遠吠えが空に鳴り響いた。
それと同時に船の後方に数十メートル水柱が現れた。
「くそ……やっぱ駄目だったか」
矢瀬は過適応者であり、能力は気流制御。
置き去りにされた雪菜の“雪霞狼”を、洋上の“オシアナス・グレイヴ”まで投げ飛ばしたところまではうまく行ったが、予想以上の早さでナラクヴェーラの制御コマンドが解析されてしまった。
「いくら姫柊っちでも、あの古代兵器が相手じゃどうにもならねーよな。こっちは懲罰のリスクを冒してまで手助けしてるってのに。浅葱のやつ、頑張りすぎなんだよ──」
だが、もう一つ良い方で誤算があった。それは、彩斗の存在だ。
彼が“オシアナス・グレイヴ”にいるということは、ナラクヴェーラへ対抗する手段があの船にはあるということになる。
「なるほど。監視者であるきみが直接、戦闘に介入するのは禁忌というわけか。きみも意外に苦労してるんだねェ」
派手な三揃えを着たヴァトラーだ。
“オシアナス・グレイヴ”が十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
に接近して来ている。
五機のナラクヴェーラがこの島に揃えば大変なことになる。一機でも相当な破壊力のナラクヴェーラが、サブフロートにいるのと合わせて合計六機。
「
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