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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
09.洋上の聖戦
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表情から彩斗の後方を敵視する。
「まさか結界を破って乱入者が入って来るとは、予想外だったよ」
後方を振り返るとそこには、獣人の男がこちらに愉しげ表情を浮かべている。
「あんたがガルドシュか……」
彩斗は表情を一変し、獣人の男へと訊く。
「いかにもそうだが」
ガルドシュは応える。続けてこちらへと質問を返してくる。
「こちらが名乗ったんだ、きみも名乗るべきではないかな」
「俺は、
剣巫
(
コイツ
)
の先輩だけど」
不敵な笑みを浮かべながら彩斗は答えた。
「そうか……」
ガルドシュが動き一気に距離を縮めてくる。反応が一瞬遅れた彩斗は、ガルドシュの拳をギリギリの距離でかわし、右腕に魔力の塊を纏わせてカウンター攻撃を腹部へと掌底を叩き込む。
ガルドシュは、魔力を纏った掌底を凄まじい反応速度で直撃を避けたのだ。
だが、直撃を避けたとはいえ、
神意の暁
(
オリスブラッド
)
の魔力を纏った拳を受けてただで済むわけがない。
「そうか、きみの正体がわかったよ」
先ほど殴られたところを押さえながらガルドシュは、口を開く。
「よもや本当だったんだな……真祖と同等の力を持ちながら真祖ならざる吸血鬼、《真祖殺し》が復活したというあの噂は」
そう言うガルドシュは、とても愉しそうだ。
すると突如として、突風が吹き荒れた。
「なんだ、この風は!?」
その突風に、ガルドシュがうめいた。
凄まじい突風。しかも、その突風は彩斗たちの周囲だけ吹いているようだ。
その風に乗ってなにかが飛んでくる。それは美しい銀色の刃。三つ叉に分かれた穂先。それは──
「“雪霞狼”!?」
暴風に乗って飛来してくる槍。
後方を見ると少女がその槍を掴み取っている。
その瞬間、荒れていた暴風はピタリと止んだ。
だが、その槍を掴む瞬間に雪菜は、両手を空中にしたせいで風で巻き上がりスカートの裾が風でなびき、白と水色のストライプの下着が露わになる。
その瞬間、彩斗はとてつもない赤面になる。
「いったい誰が!? こんな……!?」
彩斗の視線に気づき雪菜の顔がみるみる赤くなる。
すると金属の槍の穂先を獣人ではなく彩斗へと向ける。
「ちょ、今は待てよ!?」
少女は槍を下ろすと今度は、獣人へと向けて構える。
「気流使いか。さすがは極東の魔族特区。奇怪な技を使う者が多いな」
槍を構える雪菜と彩斗を睨んで愉しそうに唇を吊り上げる。
「これできみたちの本当の力が見れるというわけか。面白い。だが、こちらとしても剣巫と真祖殺し、相手は分がわるいのでね」
ガルドシュは、彩斗たちの頭上の上部甲板へと跳躍する。
そこにはガルドシュ
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