第六幕その三
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「どちらの姿でもね」
「じゃあオズマ姫でもチップさんでもですか」
「女王様は女王様ですか」
「男の子の時もね」
つまりチップでもです。
「私はこの国の皆と一緒にいるから」
「だからですか」
「そうしたことは気にすることなく」
「このパーティーも楽しみましょう」
こうお話してでした、そのうえで。
皆でパーティーの用意をしていきます、その中には右足が木になっている船長さんの服を着たおじさんと丸々と太った全身銅のロボットもいます、ロボットの背中にはゼンマイがあって全身はとてもきらきらとしています。丸い目とタキシードを着ている様な装飾が彫られていて頭にはこれまた銅のシルクハットがあります。手足はとても細いです。
その船長さんとロボットを見てです、恵梨香は言いました。
「船長さんとチクタクさんですね」
「そうじゃよ」
「そうーーです」
船長さんとチクタクはそれぞれの言葉で恵梨香に答えます。
「わしがベッツイのお友達の船長じゃよ」
「チクタクーーです」
こう答えるのでした。
「わし等もな」
「パーティーーーに参加ーーさせてーーもらいます」
「チクタクさんの喋り方って」
恵梨香はチクタクと会うのははじめてです、そのうえで言うのでした。
「ボームさんが紹介してくれた通りね」
「ボームさんーーですね」
「はい、チクタクさんのことも書いてくれています」
「それはーー何よりーーです」
こう返すチクタクでした、そしてでした。
お握りのお皿を持って行くチクタクを見てです、こうも言いました。
「ただチクタクさんも食べることは」
「必要ーーありーーません」
やはりそうだというのです。
「かかしーーさん達ーーとーー同じーーです」
「そうですよね」
「わしは食べることも好きじゃがな」
船長さんはそうだというのです。
「食べないと困ってしまう」
「そうですね、じゃあ」
「うむ、この変わった御飯は」
「お握りです」
「日本で食べておるのじゃな」
「はい、そうです」
「和食はわしも食べておるが」
それでもだというのです。
「こんな変わったものは見たことがない」
「これはーー川草ーーですね」
チクタクはお握りを巻いているものを見てすぐにそれだとわかりました。
「こうしたーー使い方ーーがーーありーーますか」
「そうなんです、日本では海草を使うんですけれど」
「オズの国には海がないからのう」
船長さんもよく知っています、このことは。
「だからじゃな」
「はい、そうです」
それでだというのです。
「ビーナさんとお話をしてこれにしました」
「その時に決めたのか」
「そうです」
「そういえばおうどんにはな」
「川草をだしに使いますね」
「あと小魚の干物をな」
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