第拾話『二人での初仕事』
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「ふあ〜あ……ねむぅ〜」
時刻は午前五時前、重いまぶたを擦りながら玄関先に立つ。
まあ、土日はいつもこれぐらいの時間に起きているから問題は無いが……今日のことを考えると寝付けなかった。
「おはようございます!」
しばらくぼーっとしていると目の前に少女が一人、立ち止まり挨拶をする。
「おはよう、ネコちゃん」
新聞を受け取りながら挨拶を返す。少女の名前は、『刃牙音子』。本当は笠松市の担当なのだが土日だけこの辺りもくばってくれている。なんでも、元担当の人がでられなくなったからそのヘルプらしい。特徴はネコの耳みたいにはねた髪。少しツリ目で見た目キツそうに見えるが、がんばり屋でとても良い子だ。
「寝不足ですか?」
「ん?ああ。昨夜寝付けなくてね……ふぁ〜」
「それなら、ガムはいかがですか?もらいもので申し訳ないんですが…」
「ん、ありがたくもらうよ」
ネコちゃんからガムを受け取り口に入れる。爽やかなミントの味が口に広がり少し目が覚めた。
「ありがとう。少し目が覚めたよ」
「それはよかった。それでは、私はこれで…」
「あ、ちょっと待って…はい、これ」
自転車をこぎ出そうとした、ネコちゃんを制止しあらかじめ用意していたスポーツドリンクを差し出した。
「まだ6月だけど結構暑いからね」
「ありがとうございます……では」
スポドリを受け取り、自転車をこぎ出して行ってしまった。
「さて、俺も準備するかな」
辻堂雄介の純愛ロード
第拾話『二人での初仕事』
さて、準備を終えて家を出た俺は現在愛との待ち合わせの場所鎌倉駅にきている。普通家がお隣同士なんだから一緒に出ればいいのにな。
「早いな、ユウ」
そして、約5分後愛が到着した。
「愛の方こそ早いな」
約束の時間までまだ、10分以上あるわけだが……まあ、俺も人のことは言えないか。
「で、これからどうすんの?」
「まずは、商店街の方から回っていこう」
「おう」
◇◇◇◇◇
「まずは、ここからいくか……すみません」
「はい?おぉ、辻堂さんところの坊ちゃん」
「その、坊ちゃんって呼ぶのはやめてくださいって言ってるじゃないですか…」
「あの人のおかげで俺は人生をやり直すことができたんだ感謝してもしきれないくらいでさ」
この肉屋の亭主は昔結構な不良だったらしくそのとき逮捕&改心させたのが俺の父親「辻堂智樹」だ。
「それ
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