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辻堂雄介の純愛ロード
第拾話『二人での初仕事』
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で、今日は可愛い彼女を連れて買い物かい」

「買い物は後でさせてもらうとして、学園から連絡きてると思うんだけど…」

「ん?ああ、あれのことか。聞いてるよ」


 学園から、すでに連絡が通っている店にポスターを置かせてもらう。それ以外の場所にも置いたり、貼ったりの繰り返し。


「順調だな」

「ああ」


 順調に減っていくポスター。


「それにしても」

「ん?あ、ちょっと待って。すいません」

「うん?おう、ユウ坊じゃないか、どうかしたのか?」

「ども、学園からの連絡がきていると思うんだけど、3会のポスターを…」

「おう!その話なら聞いてるよ!好きなところに貼っていきな!」

「ありがとう、おっちゃん」


 これで、また一枚減った。


「で、なんだっけ、愛」

「ユウって10年近くこっちに居なかったのに顔広い多いよな」

「俺っていうか父さんの方だけどな………それよりさ次は愛がやってみるか?」

「ン…あ、ああ」


 少し緊張した顔でポスターを受け取る愛。


「店の人に聞けばいいんだよな」

「ああ、いいですかって聞くだけ」

「あ、ああ。分かった」


 やることは簡単愛にもできる………はず。



 テイク1



「……ふーっ」


息を吐いて気持ちを落ち着かせる。そして―――


「頼もう!」

「ストップストップ愛」


 思わずNGをだす。


「な、なにかちがった?」

「ノリが江戸時代なんだよ。もっと軽く、すいませーんって感じでいいから」

「わかった」



 テイク2



「すいませんでした!」

「はい?」

「ストップストップ」


 再びNGを出す俺。


「なんだよ」

「緊張してるのは分かるけど、いきなりそれはないだろ。見てみろ、花屋の店員。「なんなのこの人たち」って言いたそうな顔でこっちを見てるぞ」

「堅気の人間は慣れてなくて」

「堅気とか言うな。もっと普通にナチュラルにいけ、ナチュラルに」

「普通に、ナチュラルにだな。分かった、いつも通りのアタシで行く」

「ああ」



 テイク3



「稲村学園の辻堂だ!」

「ひぃ!」


 ああ、もうだめだ。でも一応最後まで様子を見よう。


「テメェの店をちっとばかし貸してもらいに来た。話は通してあるはずだ。こっちの都合で広い範囲をいただくことになるが……」

「え、え……」


 何を言われているのかいまいち理解できない店員さん。端からみたら脅しているようにしか見えない


「文句あr―――」
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