第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十六話 嵐去った後……
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
負傷し意識を失っていた紫と幽香を神社へと運びそれぞれ別室で治療を施し紫の方は栞に、幽香の方はさとりとこいしに後を任せ僕は神奈子と共に居間に移動しこれまでの経緯を神奈子に説明した。
卓袱台に頬杖を付きながら僕の話を口を挟まず無言で聞いていた神奈子が僕の話が終わると同時に口を開く。
「なるほどね、それでどうするつもりだい?」
余計な事は省きただ要点だけを聞いてくる。どうするつもりか、神奈子が聞きたいのは七枷の祭神として郷を破壊した幽香への対処の事だろう。さとりとこいしとの幽香を助けるという約束は僕個人がしたものでありこんな事態になった以上、郷の責任者として幽香に何らかの処分を与えなければならない。お咎め無しにするには被害が大きすぎた。
「考えはあるよ、後は郷の正確な被害状況によるけどね」
僕の返答に神奈子は納得したのか少しだけ笑いながら、
「まぁそこの所はあんたならきちんとするだろう、心配はしてないよ。それでこの後はどうするんだい?」
「悪いんだけどまた出かけるよ、花畑の方に戻ってルーミア達を迎えに行かないとね」
ここから花畑までは距離がある為少し急がなければ日が暮れてしまう。大ちゃんが居れば問題は無かったのだが流石に連続で能力を使ったのが堪えたのか神社に一緒に付いてきた後倒れてしまい今は別室で横になっている。
「あぁ後さっきも話したけど地子って子を送り届けてくるから僕の帰りは遅くなるかもしれない」
「分かったよ、こっちはあたしと諏訪子で対処しとくから」
神奈子と少し打ち合わせをしそれが終わると僕は花畑に向け里を後にした、眼下に広がる破壊の後を眺めながら。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
一枚の符が霊気を纏い刃の様に熊の顔を持つ人型妖怪の胸元に突き刺さり激しい光を放ちながら爆散し、二メートルを越す巨躯だった妖怪の上半身を跡形も無く吹飛ばした。
続けて背後から襲い掛かってきた先ほどと同じく人型妖怪が振るってきた手爪を、相手の手首を右手で払いながら無防備になった相手の脇腹に左の手刀を突き入れ霊気を流し込み内側から破裂させる。妖怪は声を上げる事も無くゆっくりと灰と化していく。
残心を取りながら周囲を警戒する僕に声がかかる。
「へぇーやるじゃない綺羅、予想以上よ」
木々の向こうから大剣を手にしたルーミアさんが現れそう賞賛した。
「恐縮です、そちらも終わったようですね」
僕がそう聞くとルーミアさんは「まぁ余裕ね」と大剣を消しながら答え、もう一人の方へと視線を向ける。視線の先では数体の氷漬けになっている妖怪達の中心で勝鬨を上げるチルノさんの姿があった。
虚空さん達が花畑
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ