第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十六話 嵐去った後……
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う)』は彼女に仕えている一族であり神官ではないらしい。
「恩人であり七枷神社の祭神様でもある貴方様に我が家に連なる者が御無礼を働き誠に持って申し訳なく責任者として如何様な処罰も受ける所存です!ですので今回の咎は私一人が償いますゆえ一族の者達には寛大な御処置を!」
「なりません名居様!これは私が被るべき罪です!七枷様咎は私にございます!娘を助けて頂いておきながら御無礼の数々怒り心頭とは存じますがどうか!どうか!処罰は私だけになさってください!名居様や一族には何ら罪はありません!お願い致します!」
穂波や弦州、その他の者達が責任は自分が取る!と主張し部屋が喧騒に包まれる。正直に言えば怒っても気にしてもいない。いや気にはしてるかな?ちょっとだけ。
僕がどう言おうか迷っているのに気付いたのか月詠が口を開く。
「静まれお前達!七枷は寛大だ、今回の事はお咎め無しだと言っている。反論は許さん享受しろ」
月詠の一声に部屋にいた全員が一瞬で口を閉ざし静寂を造り出した。穂波や弦州などは納得は出来ていない様だが月詠の命令には逆らえないらしくこれ以上何も言わなかった。
「それはそうと七枷、私の眷属が世話になったな礼をいうぞ」
視線を穂波達から僕の方に移しながら月詠が頭を下げた。
「気にしないでいいよ成り行きだから、君達も気にしない事」
僕が月詠と広間に居並ぶ穂波達にそう言葉をかけると、月詠は小さく笑い穂波達は再び頭を下げる。まぁこの話はこの辺りで終わらせないとこの人達は引きずりそうだね。
「でも此処で月詠に会えたのは在る意味運が良かったよ、実は相談したい事があるんだ」
僕がそう言うと月詠は何かを察したのか穂波以外の者達に退室を命じた。そして最後の一人が退室し部屋の戸を閉めたのを確認すると改めて僕の方に向き直り口を開いた。
「お前が真面目なのも珍しいな。一体何があった?」
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月詠達に僕が此処に来るまでの経緯を説明すると、案の定というか何というか月詠が暗く嗤いながら怒りを露にした。神を謀ろうとした柳杉屋、七枷の郷の破壊を手引きした百鬼丸、そんな連中と繋がっている思われる各都の警邏や行政、これだけ揃えば神として許容できるはずがない。
「先ずはその柳杉屋、だったかそこを潰すか!その次に腐った役人共!最後はふざけた真似をしてくれた妖怪共だ!名居!すぐに用意をしろ!」
月詠は立ち上がるとそんな叫び声を上げ穂波に命令を飛ばすが、僕はそれに待ったをかける。
「月詠ちょっと待って、その件については神奈子と話し合っって決めてる事があるんだ」
「決めている事だと?」
「うん、やるからには“徹底的に潰す”ってね。悪い
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