第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十六話 嵐去った後……
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を立たれた後、僕の張った結界に触れる多数の妖怪の気配が現れその事をルーミアさんに報告した所「外でうろうろされると面倒だし片付けてくるわ。」と言い結界の外に向かおうとしたので僕は助勢を買って出たのだ。この方が御強いのは砦で見ているので疑ってはいないがもしもの事を考えての発言だった。
最初は遠慮していたが僕が引かないと悟ると同行の許可を出し結界の外へと向かおうとする僕達に今度は目を覚ましていたチルノさんが「あたいも付いて行く!」と言い出し少しの問答の末共闘する事になったのだ。
「チルノあんたもやるわね、妖精なのに」
基本妖精は特殊な力は持っていても戦闘能力は高くは無い。それ故に時に人によって売り物用に捕獲される事もあるという。
ルーミアさんにそう賞されたチルノさんは満面の笑顔で両手を腰に付けながら声高々に、
「あーたりまえ!なんたってあたいはサイキョーなんだか…ら…じゃなくて幽香の次だから、つまりサイキョーから二番目なんだから…うん…二番目…うん…二番…」
最初の方は元気一杯だったのだが最強の辺りから急に元気を無くし最後の方では顔を青くし震えていた。彼女の過去に一体何があったのか非常に気になる。
「そういえば綺羅、貴方達これからどうするの?」
「…これからですか…」
チルノさんの方に目を向けていた僕に唐突にルーミアさんがそんな事を問いかけてくる。これからどうするか、実は正直困っていた。このまま百合と共に住んでいた集落に戻ろうか、とも思っていたのだがもしかするとあの連中に目を付けられ集落に迷惑がかかるかも知れない。再び百合を危険な目に遭わせてしまうかもしれない、等と思ってしまい決められないのだ。
問いに答えず押し黙った僕にルーミアさんが優しく声をかけてくる。
「もし良かったら七枷の郷に来なさい、歓迎するわよ」
「…いいのでしょうか?もしかしたら御迷惑をお掛けするかもしれません」
ルーミアさんの申し出は在り難いのですが恩人である虚空さんやルーミアさんに迷惑は懸けたくはない。しかし七枷の郷なら今の状況から考えれば一番安全だ。甘えてしまってもいいのだろうか?
「大丈夫よ、面倒事は全部虚空がなんとかするでしょう。あいつの事だからお願いすれば二言返事で了承するわよ」
ルーミアさんは笑いながらそう言った。そうですね虚空さんが帰っていらしたら聞いてみよう。それにしても、
「ルーミアさんは虚空さんの事を信頼なさっているのですね」
先ほどの台詞からそう感じたので言ってみたのだがルーミアさんは、
「……止めてよ気持ち悪い」
何と言うか心底嫌!みたいな表情でそう答える。お二人の関係がよく分からない。そんな事を思い苦笑いしていた僕の目がこちらに向かって飛んでくる影
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