暁 〜小説投稿サイト〜
Transmigration Yuto
旧校舎のディアボロス
兵藤一誠
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。
 僕は戸を開け、部室に入る。僕に続いて兵藤一誠も部室に入った。
 兵藤一誠は室内の至るところに書き込まれている悪魔文字と教室の大半を占める中央の魔方陣に圧倒されている様子だ。
 ソファに座って黙々と羊羹を食べていた小猫と兵藤一誠の視線があう。
 「こちらは兵藤一誠くん」
 自分から名乗る様子を見せなかったので紹介してみせる。すると、小猫はペコリを兵藤一誠に向けて頭を下げた。
 「あ、どうも」
 兵藤一誠も頭を下げる。
 小猫はそれを確認すると、また黙々と羊羹を食べるのを再開した。
 シャー、と部室の奥から水が流れる音が聞こえてくる。リアスがシャワーを使っている音だ。
 正直、部室にシャワーを設置するのはどうかと思うが、まあ一応主の意向なので口出しはしない。
 僕は小猫ちゃんの隣に腰を下ろし、小猫ちゃんの手元に手を伸ばした。
 しかし、避けられる。僕は悪魔の身体能力を活用しながらそれを追いかける。しかし、避けられる。
 これだけのことが凄まじい速度で行われているのだが、兵藤一誠はシャワーのある方に視線を向けていて気付いていない。
 結局僕が騎士(ナイト)の素早さを活かして一つ摘んだ。小猫は悔しそうに半眼で睨んでくる。
 いつものことなのでそれ以上は何もない。僕はニコニコと笑いながら羊羹を口に運ぶ。
 これも修行だ、的なノリなのだ。
 キュッと水を止める音が静かな部室に響く。
 「部長、これを」
 「ありがとう、朱乃」
 カーテンの向こうからはリアスと朱乃の声が聞こえてくる。
 「……いやらしい顔」
 若干不貞腐れている小猫が兵藤一誠に向かってぼそりと呟く。
 兵藤一誠はこちらに視線を向けてくるが、小猫は黙々と羊羹を食べ続けるだけだ。
 カーテンが開かれる。
 そこには髪を濡れたままにして制服を着込んだリアスの姿があった。
 リアスは兵藤一誠を見るなり微笑んだ。
 「ごめんなさい。昨夜、イッセーのお家にお泊りして、シャワーを浴びてなかったから今汗を流していたの」
 事情は聞いているが、流石に女性としてほぼ初対面の下級生と同衾するのはどうかと思う。
 リアスの後方には従者よろしく朱乃が佇んでいる。
 「あらあら。はじめまして、私、姫島朱乃と申します。どうぞ、以後、お見知りおきを」
 ニコニコと笑みを浮かべながら丁寧に挨拶をする朱乃。
 「こ、これはどうも。兵藤一誠です。こ、こちらこそ、はじめまして!」
 兵藤一誠は緊張した様子で挨拶を交わした。
 リアスはそれを「うん」と確認する。
 「これで全員揃ったわね。兵藤一誠くん。いえ、イッセー」
 「は、はい」
 「私達、オカルト研究部はあなたを歓迎するわ」
 「え、ああ、はい」
 「悪魔としてね」
 いきなりそれはどうかと思う。それ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ