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閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
69.聖剣へ
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ません!邪神級モンスターのテイムの成功率は、最大スキル値に専用装備でフルブーストしても〇パーセントです!」

シリカが激しく首を振る。

「ってことは、つまり……あれは、なんつぅか……《便乗》してるワケか?四つ腕巨人が象クラゲを攻撃してるとこに乗っかって、追い打ちを掛けてるみてェな……」

「でも、そんなに都合良くヘイトを管理できるものかしら」

シノンが冷静にコメントする。普通に考えて邪神にあそこまで接近してて巨人にターゲットロックされないはずがない。
どういうわけなのか理解ができない。

「ひゅるるるるぅぅぅ……」

象水母は、断末魔を上げてポリゴンとなり体を四散させる。

その後の光景にさらに驚愕する。
四つ腕の巨人と数十人のプレイヤーは、戦闘にならず次のターゲットを求め移動し出す。

「な……何で戦闘にならないんだ!?」

掠れ声を漏らして、アスナは何かに気づいたようだ。

「あっ……見て、あっち!」

指さされたのは、右側に遠く見える丘。戦闘エフェクト。そこには今度は二匹の人型邪神が協力して、他の邪神を狩っている。

「こりゃァ……ここで、いったい何が起きてンだよ……」

呆然としたクラインの声に、リズベットが低く呟いた。

「……もしかして、さっき上でアスナが言ってた、ヨツンヘイムで新しく見つかったスローター系のクエスト……って、このことじゃないの? 人型邪神と協力して、動物型邪神を殲滅する……みたいな……」

「……!」

七人が同時に息をのむ。
これがそのクエストなら少しばかりやっかいなクエストになる。
だが、トンキーの背中の誰も座っていなかった位置に光が凝縮し、ひとつの人影を作り出した。
ローブ風の長い衣装。背中から足元まで流れる波打つ金髪。優雅かつ超然とした美貌の、女性。
だがその女性は通常と異なるところがあった。

「でっ…………」

「…………けぇ!」

キリト、クラインがつなげて言葉を言う。
女性の背丈としては高すぎる、三メートル以上はあった。

「私は、《湖の女王》ウルズ」
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